空撮屋のノウハウ Vol.6|機体の持ち運びについて

近況

これまで、様々な準備を整えてきて、いよいよフライト。
お仕事としてドローンを飛ばすにしても、趣味の撮影のために飛ぶにしても、事前に必要な準備は粗方同じです。
守るべきルールに、プロもアマチュアも関係ありません。
対価を貰ってドローンを飛ばす場合は、飛行に際しアマチュア以上に責任(安全に飛行させる事と、依頼者が望む成果物を提供する事)を持つ必要があります。
事前の準備は本当に大切です。
さて、今回の記事の内容は、
「撮影の現場への移動や、旅行にドローンを持って行って現地で空撮を行う場合の運搬方法について」です。
最近では、折りたたみ式のMavicシリーズがホビードローンユーザーには主流になっていますし、プロの空撮屋でもMavic 2 Pro等の高画質カメラ搭載機を使っている方もチラホラ。
筆者は、Mavic 2 Zoom、Mavic Air 2、Mavic Miniの3機体制で、全て折りたたみ式を採用しています。
Mavic3兄弟
ちょうど大・中・小
反対にPhantom 4 Pro等の運搬に嵩張るドローンを使う場合は、足場が悪い場所や、移動体からの離陸の場合くらいでしょうか。
8K動画など、極端な高解像度映像を必要としなければ、大型機の必要性は少なくなりました。
Phantom 4 Pro

飛行機に乗る時は要注意|バッテリーの扱い

移動に飛行機を利用する場合は、ドローン機材の機内への持ち込みに注意を払う必要があります。
「刃物や工具類を飛行機の客室に手荷物として持ち込んではならない。」
「火薬や撃発物、腐食性物質、毒物などは手荷物預入も含めて、持ち込みが禁止」
等、【航空法第86条、航空法施行規則第194条】で制限が設けられています。
ちなみに、ドローンの飛行ルールの中に、「危険物の輸送禁止」が掲げられていますが、この危険物の扱いも航空機で輸送を禁じられる物件と共通の物件が指定されています。

ドローンのバッテリーはどうすればいい?

ドローンの飛行に使用するようなリチウムイオンバッテリーも、腐食性物質として輸送禁止物件に指定されています。
しかし、ドローンでの使用如何に関わらず、バッテリーの持ち込みの制限は、「全て持ち込み禁止」ではなく。バッテリー容量で機内(客室内に)持ち込み出るか否かが決まります。
航空会社によって個別の制限を設けている場合もありますが、ドローンで多く使用されているリチウムイオンポリマーバッテリーの場合は、容量100Wh未満であれば機内持ち込みに限り制限はありません。
但し、受託手荷物として預けることはできません。
大型のドローンだと、バッテリーを複数搭載し1本当たりの容量が小さくなる傾向にあります。
DJI製ドローンで使用されているバッテリーで、制限対象になっていたものはInspire 1シリーズのオプションバッテリーで、大容量版のTB48型バッテリーくらいです。
Inspire 1 大容量バッテリー
このバッテリーの容量は129.96Whで100Whを超えているため、機内持ち込みは1人あたり2個までに制限されます。
尚、容量が160Whを超えるバッテリーは一切持ち込みができません。

必ず機内持ち込みに!

DJI製のドローンをお使いの方であれば、上記のInspire 1用のオプションバッテリーを除いて、原則機内持ち込みの個数制限の無いバッテリーを使用しています。
バッテリーの銘板
持ち込み個数に制限はありませんが、必ず機内(客室)に手荷物として持ち込みましょう。
あまりにも大量のバッテリーを持ち込むとなると、手荷物検査で「これは何か」と聞かれることもあると思いますので、持ち込むバッテリーの個数も自主的に抑制することも必要です。
尚、送信機にもバッテリーが搭載されているのでドローン機体用バッテリーだけ取り出して受託手荷物として預けるのもダメです。

ドローンのプロペラはどう見られるのか?

飛行機の機内に持ち込めない物品として、工具や刃物類がありますが、ドローンのプロペラはどう判断されるのでしょう?
高速で回転するプロペラは、人参などの根菜を切り刻む能力があります。
現に、筆者もMavic Proのプロペラに指が当たって怪我をしたことも(あれは痛かった)…
しかし、これまで複数回に渡って飛行機にドローン持参で搭乗した経験だと、バッテリーは詳しくチェックされますが、機体そのものはX線検査を通すだけで特にチェックを受けたことは今までのところありません。
プロペラを外して格納してあるPhantomシリーズならまだしも、プロペラつけっぱなしのMavicも手荷物検査に引っかかったことは、今までのところはありませんが、今後「機内でドローンを取り出して起動した」なんて事が起こってしまうと、「機体本体は受託手荷物へ」という事になりかねません。
ターミナルまでお供
国際線に乗ると、食器として切れ味の悪いプラスチックのナイフが出てくるので、ドローンのプロペラ単体では問題視していないのだと思います。
ちなみに、飛行中の旅客機内でドローンを起動した場合は、上空で携帯電話等で通信を行った場合と同様に、航空法違反として処罰の対象とされます。

ドローンは精密機器|できるだけ目の届くところ、一番底に置いておきたい

飛行機以外の交通手段だと、ドローンの持ち込みに対して特段の制限は設けられていません。
ドローンという遠隔操作で空を飛ぶ機材であること、精密機器の集合体であることを考えると、長距離バスに乗る時はラゲージに入れず客室へ。
落下の危険性を考えると、足下に置いておく事で不慮の事故は避けられます。
自身が運転する車等で移動する場合も、「これ以上落ちない一番底に置く」が基本です。
「急」の付く動作はできるだけ避け、ドローンが車内で転がり回らないよう注意しましょう。
Mavicシリーズ(Mini以外)はFly More Kitについてくる専用バッグに入れていると、ちょっと危険です。
ドローンの格納状況
カメラ用のバックは周辺機器も(物によってはプロペラガードも)一緒に入れられるので便利です。一応、保護材がついているのでそれなりに外的要因からの保護能力も期待できます。
車で移動中、特に夏場はエアコンを切った車内にドローン関連の機材を置き去りにしないようにしましょう。
ドローンの運搬中も含めて、ドローンの保管環境は人間が快適に過ごせる場所と同様の環境を維持するのがベスト。
おかげで、夏場の撮影に行くと1日中車のエンジンかけっぱなしのエアコンかけっぱなしで、現場では大抵車の中が一番快適です。
小型で持ち運びに便利なドローンが増えてきて、旅行のお供に持って行かれる方も増えています。
必要な備品類をセットで購入すると、Mavic Miniでも59,400円、少しグレードアップするMavic Air 2で132,000円と、決して安いものではありません。運搬中の事故により現場でドローンが飛ばなくなったという事例も少なくありませんし、筆者も過去に経験があります。
「機体は消耗品」という考え方も確かにありますが、やはり高価な機材。できるだけ長く使えるに越したことはありません。
運搬中の損傷対策には、是非とも注意を払ってください。
 


 
筆者プロフィール

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