ドローンの操縦のために知っておかなければならない法律とは!?
ドローン男子、ドローン女子などの言葉も良く聞かれるようになり、より身近なものになってきたドローン。ラジコン感覚で子供も楽しむ時代となってきました。ただ、このところ気になるのはドローンにまつわる法律が今一つ知れ渡っていない感があること。
そこで今回は、ドローンを活用するにあたって、押さえておくべき法律や条例についての最新情報をご紹介していきます。
目次
1-1.無人航空機(ドローン、ラジコン機等)の安全な飛行のためのガイドライン
5-1.ドローンによる映像撮影等のインターネット上での取り扱い
5-2.東京都内は「人口集中地区」でドローンが飛ばせない場所がほとんど!
1.国土交通省とドローン
そもそもドローンは操縦免許などがないため、一応誰にでも操縦そのものはできることになっていますが、ドローンを使っていい場所悪い場所など、実は法律でしっかり決められていることもあります。
基本的に、ドローンを操縦するには国土交通省が出している「無人航空機(ドローン、ラジコン機等)の安全な飛行のためのガイドライン」についてきちんと理解しておく必要があります。また、このガイドラインと関連して、航空法という法律もありますので、そちらもご紹介していきます。
ドローンの活用化が近年活発になってきていることを受けて、既存の法律や条例がどんどん改正されています。このため、しっかり最新の情報を把握していなければ、予期せぬトラブルを引き起こす原因となってしまいますので、ぜひご存知の方も改めてご確認ください。
1-1.無人航空機(ドローン、ラジコン機等)の安全な飛行のためのガイドライン
https://www.mlit.go.jp/common/001303818.pdf
こちらのリンクより、国土交通省によって案内されているガイドラインを見ることができます。ご覧の通り、令和元年8月23日の日付になっていて、比較的新しいことがわかりますね。このガイドラインは、ドローンを操作する際に周囲の建物や車両、そして人の安全を守るために設定されており、要するに周りに迷惑をかけないでドローンを活用するためのガイドラインだと思ってください。
ガイドラインでは、
・飛行禁止空域
・飛行の方法
・飛行させる場所
・ドローンのメンテナンスなどについて
これらについて記載があります。このガイドラインから逸脱してドローンを操縦する場合は、国土交通大臣の承認を受ける必要があります。また、許可を得ずに強行した逸脱行為は法に触れ、罰せられることとなりますので、注意が必要となります。さて、ドローンに関わる法律は、どんなものがあるのでしょうか。
1-2.航空法とドローン
航空法では、ドローンを飛ばすための基本的なルールが定められています。このルールに違反した時、50万円以下の罰金が課されることになるので、気を付けなければなりません。ちなみに、ドローンを飲酒運転した時には1年以下の懲役または30万円以下の罰金が課せられることになっています。
ただし、事故や災害時などの「捜索又は救助」にドローンを利用する際は、一般的なドローンの飛行ルールが適用されない場合があります。
このルールがわかりやすく図示されているポスターが国土交通省から発行されています。
画像出典:ドローンの安全飛行に関するポスター
https://www.mlit.go.jp/common/001110369.pdf(国土交通省)
2.道路交通法
道路交通法は、道路における規制に関する法律です。道路上でドローンを操作する際には、この法律が関連してきますので、そのポイントをお伝えしていきます。
2-1.道路交通法とドローン
道路上でドローンを利用する場合は、以下のポイントに気をつけて操作しなければなりません。
・道路上空、付近でドローンを利用する場合、道路占有に該当することから、道路使用許可が必要になる。この際、ドローンの利用のために人が集まり交通に影響が出る場合も含まれる。
(道路には歩道も含まれるので、上記内容が歩道でも起きる時は同様に道路使用許可が必要。)
・ドローンと自動車の距離が30m未満になる場合は、国土交通大臣の承認が必要となる。
ちなみに、申請すればすべて承認されるというわけではありません。
また、申請には手数料が2100円程度かかることもお忘れのないよう、ご案内します。
3.小型無人機等飛行禁止法
小型無人機等飛行禁止法は、その名の通りドローンのための法律になります。
3-1.小型無人機等飛行禁止法とドローン
画像出典:小型無人機等飛行禁止法の概要
https://www.npa.go.jp/bureau/security/kogatamujinki/pdf/gaiyou.pdf
(警察庁)
この法律では、重要施設の付近でのドローンの使用を禁止しています。重要施設とは、上記資料にある通りで、
①国の重要な施設等。
②外国公館等
③防衛関係施設
④空港
⑤原子力発電所
にそれぞれ分類されます。この法律に違反した場合は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金を課せられることになりますので、注意が必要です。
4.電波法
電波法というのは、公共の福祉を増進するために、電波を公平かつ能率的に利用・確保するよう規定された法律です。実はドローンを操縦するために、電波が使われています。ドローンによっては、この法律に触れる場合があるので、一応きちんと把握しておく必要があります。
4-1.電波法とドローン
実は、利用する電波の周波数帯によって免許が必要となっています。基本的に、市販されているドローンは以下のような周波数帯に分類されます。
・2.4㎓帯
・5.7㎓帯
・5.8㎓帯
一般的に入手できるドローンの多くは、2.4㎓帯となっています。一方で、5.7㎓帯は大型のドローンや商用のドローンに多く、5.8㎓帯はドローンレースなどに用いられるドローンに多い周波数帯です。
この中で、5.7㎓帯と5.8㎓帯はこの周波数帯を扱うための資格が必要となり、無資格で操縦すると罰せられることになります。この周波数帯のドローンを扱うためには無線局免許と無線従事者免許の取得が必要になることを覚えておきましょう。
ちなみに、この違反では、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金となります。
さらに、注意点があります。扱うドローンに「技適マーク」があるかどうかです。このマークは、電波法などで定められている技術基準にその無線機が適合していることを示すものです。この基準を満たしているドローンは、技適マークがついているので、しっかり確認してください。これがついていないドローンは、資格を持って操縦しても違法になりますので気を付けましょう。
なお、技適マークは以下のようなマークです。参考にしてください。
画像出典:技適マーク
https://www.tele.soumu.go.jp/j/adm/monitoring/summary/qa/giteki_mark/
(総務省 電波利用ホームページ)
5.条例等
法律以外にも、各都道府県や自治体が制定している条例によっても、ドローンの操縦が規制されている場合があります。自治体による条例の場合は、それぞれによって規制が変わってくるので、ドローンを使用する際には、その自治体の条例もきちんと把握しておくことをおすすめします。ここでは、すべてを網羅することはできませんが、一部をご紹介していこうと思います。
5-1.ドローンによる映像撮影等のインターネット上での取り扱い
これは、主にドローンを用いた撮影について規定したものです。ドローンは、ガイドラインに示された通りに操縦したとしても、かなり自由度が高く、好きなように撮影することが可能になっています。このため、予期せぬプライバシーや肖像権の侵害に該当する場合があるのです。こうした権利に触れる映像を撮影してしまった場合は、「送信を妨害する措置」や損害賠償請求の対象となる恐れがあります。これに関するガイドラインが総務省から発行されていますので、参考にしてください。権利の侵害とわかっていながら、動画をアップロードするなどした場合はその権利に関わる法律(個人情報保護法など)違反となり、罰せられることになりますので、自身の安全のためにも一読しておきましょう。
「ドローン」の撮影映像などのインターネット上での取り扱いに係るガイドライン(総務省)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000376723.pdf
5-2.東京都内は「人口集中地区」でドローンが飛ばせない場所がほとんど!
「人口集中地区」でのドローン操縦は、条例によって規制されている場所が多くあり、東京はその最たる場所です。特に、公園などの公共の場所では基本的にドローン飛行が禁止となっています。東京都内で得ドローンを飛ばそうとすると、多摩方面くらいしかないのです。
規制を知らずにドローンを飛ばしてしまった場合、罰則を受けることになってしまうと、非常につらいですよね。そこで、ドローンの飛行禁止エリアを教えてくれるアプリやWebサイトの利用をおススメします。
きちんとルールを守って、安心してドローンを活用していきたいですね。
6.まとめ
今回は、ドローンを飛ばすために、知っておかなければならない法律についてご説明をしました。
このように、目的に応じて飛ばすためには申請や免許取得などが必要となることがお分かり頂けたと思います。これまでにも、‘知らなかった’により罰金をとられてしまった方も多くいらっしゃいます。
ただし、これも一度覚えてしまえば、意外と簡単に管理することができてしまうもの。
日本中に存在するドローンスクールでは、読者の皆さんのニーズに沿って様々なコースが用意されており、そこで安心して知識や技術を習得することができます。きっちりと法律に沿って管理できること、操作技術の習得のためにも、ぜひスクールを有効活用してみてください。
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