冬のバッテリー対策!ドローン飛行時に注意したいポイントを紹介
冬の季節にドローンを飛行させる際には、いつもとは違う注意ポイントがあることは知っていますか。
それは「バッテリーの取り扱い方」です。
ドローンに搭載されているリポバッテリーは、温度変化に弱く、高温や低温環境ではその能力が極端に低下します。
真冬の寒い環境の中、何も準備をせずドローンを飛行させた結果、電力の供給が弱くなりドローンが墜落・・・という事故は、過去何度も発生しています。
そうならないためにも、冬の季節ならではの、ドローンの飛行における注意点について知っておきましょう。
バッテリーは低温環境では能力が急激に低下する
ドローンに搭載されているリポバッテリーは、低温環境時には急激にその能力が低下します。
以下は、株式会社ベイサンさんが公開している資料ですが、このデータを見れば、一目瞭然です。
同社の解説内容によると「-20℃の放電パターンの放電開始直後に、電圧が急激に低下」「これは温度が低いほど、また、電流が大きいほど顕著に現れる現象です。」としています。
また、その他にもこれと同じように、DJIドローンのマニュアルにも以下のように記載がされており、やはり取り扱いには注意が必要なことが理解できます。
低温環境での注意点:
1. 低温環境下(<0℃)での飛行時は電池容量が大幅に低減します。
2. 非常に低い温度(<-10℃)の環境下での使用は推奨いたしません。-10℃~5℃の環境下で使用する際には、電圧が適切なレベルにまで達する必要があります。
3. 低温環境で飛ばしている際にローバッテリー警告が出た際は、即座に飛行を中止してください。
4. 低温環境でバッテリーを使用する前には、バッテリーを温めるため室内に置いておいてください。
5. バッテリーの性能を発揮させるために、バッテリー本体の温度を20℃以上に保ってください。
※引用:DJI「ユーザーマニュアル」
上記の通り、冬の寒い時期では、普段の感覚のままドローンを飛行させると、通常よりも早くバッテリー容量を消耗してしまいます。
また、最悪の場合には、電力の出力が足りなくなり、そのままドローンが落下する事態にもなりかねません。
実際に、この低温環境による墜落事故は、毎年必ず発生しているようですので、操縦者は、万が一の事態に備えて入念に予防をするようにしましょう。
冬のバッテリー対策
冬の季節におけるドローンのバッテリー対策はずばり一つです。
そう「バッテリー温度を上げること」。
つまり飛行前には十分にバッテリーを温めておく必要があります。
バッテリー温度は、ユーザーマニュアルにも記載がある通り、20度以上の温度が必要です。
理想を言えば、人肌に近い30度~35度ぐらいまで温度が上がっていれば、より安心です。
以下は、個人でもできる、冬のバッテリー対策の方法です。
対策方法その1 バッテリーはフル充電しておく
冬の環境下では、バッテリー性能が低下するため、電力の消費量も上がりやすい傾向にあります。
そのため、すぐにバッテリー容量が少なくなる可能性がありますので、予めしっかりとフル充電しておくようにしておきましょう。
最近では自己発熱機能を搭載したバッテリーも登場してきていますが、発熱に際しても電力を消費しているのは間違いありません。
そのため、限られた容量を節約するためにも、フル充電しておくことが大切になります。
対策方法その2 バッテリーを保温する
ドローンを飛行場所まで移動させる際には、飛行させる直前までバッテリーは保温しておきましょう。
保管方法は様々なやり方がありますが、一般的なものは以下の2つです。
方法1 カイロと一緒にポケットに入れておく
方法2 クーラーボックスなどに湯たんぽを入れてバッテリーを保管
方法2の場合は、湯たんぽをタオルで包むなどして、熱くなりすぎないように温度調整しておくことが大切です。
クーラーボックスや湯たんぽ、ホッカイロなどは、数百円で購入できますので、冬のバッテリー対策にはオススメの方法です。
対策方法その3 フライト時に入念に動作のチェックをする
いざドローンを飛行させる際にも、おかしな挙動がないかなど、入念にドローンの状態を確認するようにしましょう。
DJIドローンにおけるバッテリー状況の確認方法については、以下の記事を参考にしてみてください。
・事故を未然に防ぐ!ドローン飛行時にチェックしたい5つのバッテリー確認方法
ドローン離陸の際には、すぐに上空に飛ばすのではなく、目線の高さ程度で2~3分ホバリングをしてウォーミングアップを行います。
ドローンの動作で何も問題がないようであれば、急な上昇下降等は控え、ゆっくりと操作するようにしましょう。
いかがでしたでしょうか。
冬のドローン飛行におけるバッテリーの取り扱い方をご紹介してきました。
その他にも冬の飛行では、バッテリー容量を見ながら、いつもより早めに帰還させることも大切になってきます。
せっかく買ったドローンを思わぬ不注意で墜落させないためにも、ぜひ日々の運用の参考にしてみてくださいね。
それでは、ありがとうございました。
P.S.
ドローンの操縦には、安全に飛行させるための幅広い知識と高い操縦技術が必要です。
ただし初めからその基準に到達するには、一人では時間がかかります。
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