ドローンのGPSとは?操縦者が知っておきたいGPSの要注意ポイント
今ではドローンの飛行にかかせない存在となったGPS。
ただし、このGPSについて普段はなんとなく使用している人が多いのではないでしょうか。
GPSはドローンの飛行の安全性を高めてくれますが、場所によってはGPSが切れることも発生します。
GPSが切れるとあっという間にドローンは流されていきますので、もしGPSが切れた状況での操縦に慣れていない場合は注意が必要です。
そこで今回は、ドローンに搭載されているGPSの特徴と、飛行時における注意ポイントについてご紹介したいと思います。
GPSって何?
「GPS」とは「Global Postitioning System(グローバル・ポジショニング・システム)」の略で、『全地球測位システム』と言います。
GPSはアメリカの衛星を使用しており、その他にもロシアの「GLONASS」やEUの「GALILEO」、中国の「BEIDOU」、インドの「IRNSS」、日本だと「みちびき」などの衛星が存在します。
これらの各国の衛星システムを総称して「GNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)」と呼ばれています。
私たちの日常でも利用シーンが多いGPSは、現在地球の周りを約30機ほどが飛んでおり、地球上のどこにいても、上空には4機以上の衛星が存在するようになっています。
このGPSの人工衛星が発信する信号を使い、GPS端末で受信を行うことで、その場所の位置を特定することが可能になります。
どのようにして位置を特定しているの?
GPS衛星から発信する情報は衛星の軌道上における「位置」と「現在の時間」です。
そこから発信された電波をGPS端末が受信することによって、端末に届くまでにかかった時間差を計算し、衛星との距離を計算します。
この受信した情報が最低3つの衛星から計算ができれば、現在地の特定が可能になります。
ただし、最低3つの衛星では誤差も大きいため、4つ目の衛星も必要となります。
ドローンの場合では、よりGPSの精度が求められるため、6つ以上の衛星電波をキャッチできないとGPSの使用ができないものもあります。
操縦者は知っておきたい、GPSの注意ポイント
GPSが搭載されたドローンでは、自分の位置情報を自動的に計算し、風が吹いていようとも、常に特定の位置でホバリングをしてくれるという、素晴らしい性能を搭載しています。
しかし、これはあくまでもGPSが正常に機能している場合に限ります。
そのため、もしGPSが受信できないような場所でドローンを飛行させた場合、GPS機能が有効にならず、風が吹くとそのまま流されていくということになりますので、注意が必要です。
~DJIドローンのフライトモード~
DJIドローンでは、主に3つのフライトモードが選択可能です。
Pモード:標準のモードです。GPS機能がオンになっており、他ビジョンポジショニングセンサーなども起動し、誰でも安定した飛行を行えるようになります。
Sモード:スポーツモード。障害物センサーがオフになり、より高速にドローンを操縦することができます。
Aモード:ATTIモード。安定飛行のためのGPSや各種センサーをオフにし、マニュアル操作を行うことができます。
※ドローンによっては、フライトモードは自分では選択ができません(SparkやMavicシリーズなど)。
GPSが切れた場合、自動的に本来のPモード(GPSあり)からPモード(GPSだけなし)か、Aモード(GPSと各種センサーなし)に切り替わります。
特にまだ操縦に慣れていないドローン操縦者の場合は、GPS機能オフの環境には、要注意です。
GPSがどのような状況で受信ができなくなるのか、事前にしっかりと把握しておくようにしましょう。
では、続いて、ドローンの操縦者が注意したいGPSの受信が難しくなる場所を紹介していきたいと思います。
GPSの受信が難しい場所:山や渓谷
GPS信号は空から受信しているため、当然見通しが悪い場所では、GPS信号の受信も難しくなります。
山の中や谷、滝があるような場所の近くにいると、どうしてもGPS信号を受信しづらくなりますので注意するようにしてください。
特に森林などでは、GPSがオフになり風に流された瞬間、どこに行ったのか分からなくなる可能性がありますので、なるべく周囲に何もないような場所を探した方がよいでしょう。
GPSの受信が難しい場所:雲が厚い日
雲がない晴れの日であれば問題ありませんが、雲が厚くなる曇りの日などは注意が必要です。
GPS信号は空から届きますので、雲が原因となって、信号が遮断されてしまう可能性もあります。
ドローンを飛行させる際には、飛行場所の天候などもよく確認するようにしてください。
GPSの受信が難しい場所:ビルの間
高層ビルなどが建つ場所でドローンを飛行させる場合、ビルがGPS信号を遮断してしまう可能性があります。
そのため、このような場所でドローンを飛行させる場合には、GPS信号の状況などを注意して確認するようにしましょう。
GPSの受信が難しい場所:建物の中
基本的にGPSは建物の中まで信号を届けることができません。
そのため、屋内でドローンを飛行させる際は、ほぼGPS機能は使えないと考えた方がよいでしょう。
地下鉄などではスマホやタブレットのGPSが利用できますが、携帯の場合は「A-GPS」という無線通信での位置情報システムを合わせて利用しています。
ドローンには「A-GPS」の機能がなく、建物の中では利用できませんので、注意してください。
GPSが切れた時のためにできること
GPS信号が途切れることは突然やってきます。
「周囲に何もないのにGPSが勝手に切れた」という話もたまに聞きますので、ドローン操縦者は、常に不測の事態にも対応できるようにしなければなりません。
もし、GPSが切れてしまった場合でも、落ち着いて対処できるようになるためには、普段からGPSがオフの状態での操作にも慣れておくことが大切です。
自身でフライトモードを変更できるのであれば、GPSを切り、操縦の感覚をつかむようにしましょう。
高価なドローンを購入し、いきなりGPSなしの練習をするには、少し危ない可能性もありますので、その場合には、トイドローンなどがオススメです。
特にDJIのトイドローン「Tello」は元々GPS機能がありませんので、最初に操縦感覚を掴む上でオススメです。
いかがでしたでしょうか。ドローン操縦者は絶対に知っておきたいGPSの特徴と、注意したいポイントについて紹介してきました。
GPSはドローンの安定飛行に関わる重要な機能となっています。
そのため、ドローンを飛行させる際には、どのような場所でも、GPSの受信状況は常に確認するようにしてくださいね。
それでは、ありがとうございました。
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