NDフィルターとは?あまり知られていない動画撮影必須のアイテム
ドローンで撮影する時、どうも景色が明るすぎたり、白っぽく映ることはないでしょうか。
これらの原因は主に、カメラの光量によるものです。
ドローンと光量の関係を覚えることで、目で見たような美しい景色を撮影することが可能になります。
そこで今回は、ドローンの光量を調整する「NDフィルター」についてご紹介したいと思います。
NDフィルターとは?
NDフィルターとは「ニュートラル・デンシティー・フィルター(Neutral Density Filter)」の略で、直訳すると「中間濃度フィルター」となります。
NDフィルターの役割は、カメラが捉える光量を、発色に影響することなく軽減することです。
つまり、色合い自体は通常通り撮影しながら、明るさのみを暗くすることができるフィルターということになります。
また、NDフィルターには「ND○」のように数字が割り当てられており、軽減できる光の量が分かるようになっています。
「ND8」なら光の量が通常と比べて「1/8」に、「ND16」なら「1/16」となります。
なぜNDフィルターがいるのか?
NDフィルターは、特に、ドローンの動画撮影時に必須となるアイテムです。
通常、動画撮影を行う際、カメラのシャッタースピードは動画のフレームレートの1~2倍に設定する必要があります。
<シャッタースピードの設定例>
30fpsのフレーレートの場合・・・シャッタースピードは1/30~1/60
60fpsのフレーレートの場合・・・シャッタースピードは1/60~1/120
シャッタースピードがこれ以上速い場合は、撮影する映像1コマ1コマにブレがなくなり、映像としてカクカクした不自然な動きのものになってしまいます。
※CHECK POINT※
もし、あなたの撮影した動画が、なにか違和感があったり、自然な動きに見えないと思った場合は、ドローン撮影時のシャッタースピードの設定に問題がある可能性があります。
日差しの強い日中の場合、シャッタースピードが「1/4000」ぐらいになっている可能性があり、当然、映像としてはカクカクしたものになります。
そして、ここで重要なのが、通常、シャッタースピードを上記値に変更した場合、カメラが捉える光量が大きく増えてしまうということです。
光量が強くなると、映し出される映像が極端に明るくなってしまい、露出オーバーという、いわゆる「白飛び」の原因となります。
つまり、シャッタースピードの問題をまとめると、以下の内容になります。
□通常のAUTOのシャッタースピードで撮影・・・問題なく撮影できるが、映像の動きが不自然に
■フレームレートに合わせてシャッタースピードを設定・・・映像の動きが滑らかになるが、そのままでは露出オーバーになってしまう
通常、カメラでは、このような現象に対処するため、カメラの「絞り」で光の量を調整します。
しかし、現在DJIのドローンで絞り機能があるのは、Mavic2シリーズ、Phatom4シリーズのみで、Mavic AirやMavic Pro初代、Sparkなどはありません。
そのため、このようなNDフィルターをカメラに装着して、アナログで光の量を調整する必要があるのです。
また、Mavic2シリーズ、Phatom4シリーズでも、屋外の状況によって、絞りの調整だけでは難しい場面があり、やはりNDフィルターはあった方がよいと言えます。
写真撮影時でもNDフィルターはあった方がいい!
NDフィルターは、動画だけに限らず、写真撮影時でもその特徴を活かすことが可能です。
例えば、滑らかな滝が流れる写真を撮りたいと思った時。
このような場合、シャッタースピードはおよそ1秒ほどに設定して撮影することで、水が滑らかに流れる写真を撮ることが可能になります。
しかし、その際に、光量が大きくなってしまうため、このままでは、露出オーバーや白飛びの原因となります。
そこで、NDフィルターを使い、光量を少なくすることで、写真全体の光を抑えた、滝の美しい写真が撮れるようになるのです。
その他にも、ドローン空撮の場合、日中の撮影ではレンズに入る光の量が増えてしまいますので、NDフィルターがあると、どのような場面でも活躍します。
ドローン用のNDフィルターの選び方
ドローンで空撮を行う場合、最適な設定は以下の通りです。
<PHANTOM4/ MAVIC2の場合>
ISO:100から200
絞り値:f2.8~f8
シャッタースピード:4K60Pの場合1/60~1/120、4K30Pの場合1/30~1/60
<MAVIC/ MAVIC AIRの場合>
ISO→100から200
絞り値→固定
シャッタースピード→4K30Pの場合1/30~1/60
PHANTOM4/ MAVIC2の場合は、「絞り値」で光量を調整できるため、NDフィルターはND8かND16までを持っていると、困ることはないでしょう。
また、絞り機能がないMAVIC PROやMAVIC AIR(SPARKなども)は、NDフィルターがあった方がよいと言えます。
ND4からND16までは最低限必要で、できればND32、ND64ぐらいまで持っていると、かなり柔軟に対応可能なはずです。
いかがでしたでしょうか。
ドローンの動画や写真撮影に外せないNDフィルターについてご紹介してきました。
NDフィルターが、意外にもかなり重要であることが、お分り頂けたと思います。
今まで、思ったような撮影ができていないと思った場合、カメラの光量の設定が原因の可能性があります。
ぜひ一度、設定を見直し、自分に合うドローンのNDフィルターを探してみてくださいね。
それでは、ありがとうございました。
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