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2026.03.27

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ドローン×BIM連携で実現する建設DX 効率化と次世代建築維持管理

ドローン×BIM連携で実現する建設DX 効率化と次世代建築維持管理

結論として、ドローン×BIM連携は建設業界の測量・点検・維持管理コストを大幅に削減しながら品質と安全性を高める、現在最も効果的なDX手段のひとつです。ドローン×BIM連携とは、ドローンで取得した3次元点群データとBIM(Building Information Modeling:建物情報モデル)を統合することで、建設現場の計画から維持管理まで一貫したデジタル管理を実現する技術・手法を指します。国土交通省は2023年度から一定規模以上の公共事業でBIM/CIM活用を原則化しており、官民両面で導入が加速しています。本記事では、BIM/CIM原則適用の背景から竹中工務店・東洋建設・鹿島建設の実証事例、今後の課題までを解説します。

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BIM/CIM原則適用におけるドローン活用の意義

BIM/CIMとは 建設業界の標準化と効率化

BIM/CIM(Building Information Modeling / Construction Information Modeling)は、建設プロジェクトの計画・設計から施工・維持管理まで、すべての段階にわたって情報を一元管理し、関係者間で共有するための基盤です。

従来は各段階で情報が分断されていましたが、BIM/CIMによって設計段階での干渉チェックや施工計画の最適化、維持管理でのデータ活用がスムーズになります。コミュニケーションロスや手戻りを減らし、プロジェクト全体の効率化と品質向上に直結します。

ドローン活用による3次元モデル作成の効率化

ドローンに搭載した高解像度カメラやレーザースキャナーを使うと、広範囲のエリアを短時間かつ高精度に測量できます。従来の地上測量と比べ、時間とコストの削減幅は大きく、人が立ち入れない高所・危険箇所でも安全にデータ収集が可能です。

取得した点群データは3次元モデルの作成に活用され、計画・設計・施工・維持管理の各フェーズを横断して使い続けられます。ドローンによる3次元モデル化は、建設現場の生産性と安全性の両方を底上げする手段として定着しつつあります。

令和5年度BIM/CIM原則適用の実施内容

国土交通省は、2023年度(令和5年度)から一定規模以上の公共事業においてBIM/CIMの活用を原則化しました。設計・施工・維持管理の各段階での情報共有が義務化に近い形で求められるようになり、ドローンによるデータ取得の重要性がさらに高まっています。

原則適用により、ドローンで取得した点群データをBIM/CIMモデルに反映して進捗・品質・安全を管理する流れが、公共工事を中心に標準化されています。

点群BIMとドローンによる次世代建築維持管理

点群BIMとは 既存建物におけるBIMの現実的解

新築時からBIMで設計された建物とは異なり、既存建物にBIMを適用する場合、図面や手作業計測では時間・コスト・精度のいずれにも限界があります。この課題を解決するのが「点群BIM」です。

ドローンや地上型レーザースキャナーで建物を3次元スキャンし、取得した点群データから高精度なBIMモデルを自動生成します。維持管理・改修計画・耐震診断など幅広い用途に活用でき、建物のライフサイクル全体にわたるコスト最適化に貢献します。

UR都市機構との協働プロジェクト ドローンによる外壁点検の実装

2023年度、志手研究室はUR都市機構と協働し、1967年竣工の5階建て賃貸住宅でドローンを使った外壁点検の実証を行いました。従来の外壁劣化診断は足場を組んで作業員が目視確認する方法が主流で、撮影だけで3日かかるとされていました。

実証では壁面から約3mの距離を保ちながらドローンを上下に飛行させ、1階から5階の壁面を撮影。その結果、撮影作業を1日未満で完了し、バルコニー裏などを除いた約8割の箇所で従来の足場目視点検と同等の結果が得られました。高所・危険作業の削減と点検コストの低減が、数字として実証されています。

ドローンと人手の棲み分けで効率的な点検体制を構築する

ドローンは広範囲の効率的なスクリーニングに優れ、高所や危険箇所でも安全に使えます。一方で微細な異常の最終確認や複雑な状況判断は、人手による現場確認が依然として有効です。

「ドローンで広く・速く・安全に一次スクリーニング→異常箇所を人手で詳細確認」という役割分担が、点検の精度と効率を両立させる現実的なアプローチとして普及しています。

建設現場におけるドローンBIMサービスの活用事例

竹中工務店・アクティオ・センシンロボティクスによるドローンBIMサービス

竹中工務店・アクティオ・センシンロボティクスの3社は、2023年10月にBIMデータとVisual SLAM技術を組み合わせた屋内自律飛行サービス「BIM×Drone」の有償提供を開始しました。BIMデータを3Dマップに変換してドローンの飛行ルートを可視化することで、GPSが届かない屋内環境でもルートを正確にトレースした自律飛行が可能になりました。

建設現場では日々環境が変化するため、目印の設置やルートの手動更新が課題でしたが、BIMデータをベースにすることでリアルタイムの環境変化にも対応できます。施工管理担当者は事務所や遠隔地から安全巡回・現場確認を実施でき、現場作業の省力化と安全性向上を同時に実現しています。

屋内自動飛行システム搭載ドローンの活用 — 東洋建設×センシンロボティクスの実証

2022年11月・12月、東洋建設とセンシンロボティクスは国土交通省「令和4年度BIMを活用した建築生産・維持管理プロセス円滑化モデル事業」の一環として、(仮称)東京情報デザイン専門大学新設工事(江戸川区小松川)でBIM×屋内自律飛行ドローンの実証実験を行いました。

使用機体はSkydio製ドローンと専用充電・発着基地「Skydio Dock」。GNSSの電波が届かない屋内でも、Visual SLAMによる自己位置推定で自律飛行し、天井からぶら下がる配線などの障害物もAIで自動回避しました。低照度・夜間環境でも飛行に成功し、各部屋の施工状況確認に必要な画像データの取得を完了。さらにドローンで取得した画像をクラウド上のBIMモデルのポイントデータとリンクさせるシステムも開発され、遠隔地の管理者がリアルタイムで進捗を確認できる体制が整いました。

Data-Sharing(DS)の実施とデータ共有の重要性 — 鹿島建設のCDE構築事例

BIM/CIMにおけるData-Sharing(DS)の核心は、ISO19650に準拠したCDE(Common Data Environment:共通データ環境)の構築です。国土交通省は2023年度のBIM/CIM原則適用に合わせてCDEの整備を推進しており、設計者・施工者・発注者・維持管理者が同一プラットフォーム上でモデルデータを参照・更新できる仕組みの標準化が進んでいます。

鹿島建設は研修センター(改修)と事務所(新築)を対象に、国際標準オープンBIMをベースとしたCDEを構築し、BIMデータとスマートBM(Building Management)ソリューションを連携させたデジタルツインの実運用を開始しました。ドローンで取得した点群データや竣工後の設備情報をCDEに集約することで、設計から維持管理まで一貫したデータ活用が実現し、情報の断絶による手戻りを大幅に削減しています。

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ドローンBIM連携の今後の展望と課題

さらなる技術革新と標準化の推進

AIによる画像解析とドローン点検の組み合わせは、撮影した映像から異常を自動検出してBIMモデルに反映させる「自動更新ループ」の実現に近づいています。IoTセンサーデータとBIMを連携させたリアルタイム監視も実用化が進んでいます。異なるベンダー・システム間でのデータ共有を容易にする標準化の整備が、こうした連携の普及を左右する鍵です。

人材育成と教育の強化

ドローン操縦・BIMソフトウェア操作・点群データ解析・安全管理を横断的に担える人材が不足しています。教育機関と企業が連携した実践的な研修プログラムの整備が急務です。現場経験を積みながら学べる仕組みを作ることが、建設DXを加速させる人的基盤となります。

法規制や安全基準の整備

2022年の航空法改正でレベル4飛行(有人地帯での目視外飛行)が解禁されましたが、建設現場や既存建物での運用には飛行ルール・飛行禁止区域・機体登録・操縦者資格など多くの法的要件が絡みます。点群データ・撮影映像の情報管理ルールも含め、技術の進歩と社会情勢の変化に対応した法整備が継続的に求められます。

まとめ

ドローン×BIM連携は建設業界のDXを推進する核心技術であり、測量・点検・維持管理にわたるコスト削減と安全性向上を同時に実現します。2023年度のBIM/CIM原則適用開始を機に、公共工事を中心に導入が加速しており、竹中工務店らの「BIM×Drone」サービスやUR都市機構との外壁点検実証など、民間でも成果事例が積み上がっています。AI・IoTとの連携強化と標準化の整備により、次世代の建設・維持管理の中核を担う技術として今後さらに発展していくでしょう。

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よくある質問

Q. ドローン×BIM連携とは何ですか?
ドローンで取得した3次元点群データをBIM(Building Information Modeling)モデルに統合する技術・手法です。測量・点検・維持管理を一元的なデジタルデータで管理することで、建設プロジェクト全体の効率化とコスト削減を実現します。
Q. BIM/CIM原則適用はいつから始まりましたか?
国土交通省は2023年度(令和5年度)から、一定規模以上の直轄公共事業においてBIM/CIMの活用を原則化しました。設計・施工・維持管理の各段階でデジタルモデルを活用することが求められています。
Q. ドローンによる外壁点検はどのくらい効率化されますか?
志手研究室とUR都市機構の実証では、従来3日かかっていた外壁撮影作業が1日未満で完了し、約8割の箇所で足場目視点検と同等の結果が得られました。高所作業の危険も大幅に削減されます。
Q. 屋内(GPSが届かない場所)でもドローンは自律飛行できますか?
Visual SLAM(自己位置推定技術)を搭載したドローンを使うことで、GNSSの電波が届かない屋内でも自律飛行が可能です。東洋建設×センシンロボティクスの実証では、施工中の天井配線などの障害物もAIで自動回避しながら飛行に成功しています。
Q. CDE(共通データ環境)とBIMはどう関係していますか?
CDE(Common Data Environment)はBIM/CIMプロジェクトにおいて、設計者・施工者・発注者・維持管理者が同一プラットフォームでデータを参照・更新するための仕組みです。ISO19650に準拠したCDEを構築することで、情報の断絶による手戻りを防ぎ、ライフサイクル全体にわたるデータ活用が実現します。

著者プロフィール

株式会社旭テクノロジー(ATCL)ドローン事業部

1984年創業、兵庫県姫路市に本社を置く株式会社旭テクノロジー(代表取締役:幸長保之)は、プラント事業・再生可能エネルギー事業・ドローン事業の3本柱で事業展開しています。ドローン事業部では、国家資格対応ドローンスクールの運営に加え、インフラ点検(下水道・橋梁・鉄道構造物)・空撮・農薬散布・自動警備など幅広いドローンソリューションを提供。姫路市・明石市での下水道管路点検公開検証、神戸電鉄の鉄道構造物維持管理支援、茨城県のドローン自動警備実証実験など、官民問わず多数の実績があります。本記事はATCLドローン事業部が一次情報・公開資料をもとに執筆・監修しています。

株式会社旭テクノロジー ドローン事業公式サイト

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