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2020.12.19

2021.09.03

「空の産業革命に向けたロードマップ2020」ってなに?

「空の産業革命に向けたロードマップ2020」ってなに?

2021年8月現在、空の産業革命に向けたロードマップ2021が公開されています。

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2020年7月9日に行われた「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会(第14回)」において、「空の産業革命に向けたロードマップ2020」の決定版が公開されました。ここまで、読むと「なんのこっちゃ?」と感じられる方も多いと思います。これが、ドローンに関わる上で非常に重要なものであるということを今回は概要もご説明しながら、ご紹介していこうと思います。

 

1.空の産業革命に向けたロードマップ2020とは

1-1.概要

1-2.レベル4実現に向けた動き

2.レベル4実装における課題

3.まとめ

 

1.空の産業革命に向けたロードマップ2020とは

空の産業革命に向けたロードマップ2020とは一体何なのでしょうか?まずは、その概要をご説明していきます。

 

1-1.概要

まず、ロードマップと聞くと地図のようなものを想像しますが、あながち間違いではなく、これからのドローン業界の飛躍に向けた計画案だと思っていただければわかりやすいと思います。このロードマップ、今回いきなりできたものではなく、これ自体は2017年に作成された上で計画的に進行していたものなのですが、今回新たに2022年以降のビジョンについて盛り込まれたというのが大きな話題となっているところです。元々は、ドローンを使った配送の実現を目指して、国をあげた取り組みとして始まったのが空の産業革命に向けたロードマップです。現在は、配送だけではなく多岐に渡るドローン産業の活性化を視野に入れた、ドローン業界全体をバックアップする形の取組みとなってきました。

想定される個別分野は、物流・警備業・医療・災害対応・インフラ維持管理・測量・農林水産業の7種類で、それぞれの分野でどのようにドローンを活用していくのか、そのためにどんな整備をしていくのということも細かく計画されています。

出典:「小型無人機に係る観光整備に向けた官民協議会」

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kogatamujinki/pdf/siryou14.pdf

 

これを見ると、これまでドローン産業のための法整備を中心に、様々な検証が行われていた段階だということがわかります。このロードマップでは、ドローンの利活用の段階をレベル1~4で定義しています。

 

レベル1・・・目視内での操縦飛行

レベル2・・・目視内飛行(操縦なし)

レベル3・・・無人地帯での目視外飛行(補助者の配置なし)

レベル4・・・有人地帯(第三者上空)での目視外飛行(補助者の設置なし)

 

今回のロードマップを見ると、この段階のレベル4に向けた本格的な動きが見られるということがわかりますね。さて、このレベル4の実現に向けた具体的な動きというのは一体どのようなものなのでしょうか?

 

1-2.レベル4実現に向けた動き

今回のロードマップの目玉とも言える部分につながってきますが、レベル4実現のために

 

・機体認証

・操縦ライセンス

・運航ルール

 

この3つの制度化と確立に舵がきられることとなります。それぞれの詳細について見ていきましょう。

まず、機体認証についてです。これは、ドローンの機体そのものと所有者を紐づけることによって、所有者を明らかにするというものです。これによって何が起こるかと言うと、レベル4の状態で事故やトラブルなどが起きてしまった時に、その責任の所在を明確にすることができるのです。これをしなければ、所有者がよくわからないドローンがそこかしこに落ちている、なんてことが起きかねませんよね。それによって、自分の車が壊されたとしても、誰のものかわからなければ責任を追及することもできません。こういったトラブルを防止するための機体認証制度です。これに合わせて、「リモートID」という機体遠隔識別技術の開発と社会実装についても、今回のロードマップに盛り込まれることとなりました。

また、これまでドローンの操縦には民間のライセンスしかありませんでしたし、操縦に特別な資格は必要ないのが基本となっていましたが、レベル4の社会実装に向けて「操縦ライセンス」についても触れられています。これについては、別な記事で詳しくご紹介していきたいと思います。

運航ルールは文字どおり、ドローンを飛ばす上でのルールになります。現在大まかな飛行ルールというものはありますが、レベル4の社会実装に向けて新たなルール作りが必要となってきますし、それを操縦者に遵守させること、ルールを守らなかった時にどうなるのかということも決めていかねばなりません。

このようにして、あらゆる整備が整い、レベル4が実装されたらどのような社会になるのか想像できるでしょうか?わたしたちの頭上にはいつもドローンが飛んでいて、ドローンたちがわたしたちの生活を支えてくれるようになるのです。なんだかちょっとSFの世界みたいで、ワクワクしませんか?しかし、これを実現するためには、まだまだ課題もたくさんあります。

 

2.レベル4実装における課題

これは、第13回の官民協議会で使われた資料ですので、今回のロードマップよりも前の情報となりますが、現時点でのレベル4実装における課題が大まかに書かれています。

出典:小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会(第13回)資料

小型無人機の有人地帯での目視外飛行(レベル4)の実現に向けた制度設計

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kogatamujinki/kanminkyougi_dai13/siryou1.pdf

 

先ほど、機体認証の話をした時に、責任の所在を明らかにするということに触れました。これは、「被害者救済」という部分に関わることです。ここで、以前ご紹介したような「ドローン保険」なども役に立ってきますね。民間のサービスも、こうした制度整備に関わってどんどん充実していくことでしょう。また、プライバシーの保護というのはかなり重要な視点となってきます。わたしたちの頭上を当たり前のようにドローンが飛び交うようになると、自分がどこで何をしているのか簡単にわかってしまい動画や写真に残すこともできてしまいます。グーグルマップなどを見ても分かるように、わたしたちのプライバシーが、当たり前のように侵されないための対応が必要となるわけです。また、個人のプライバシーと共に、あらゆる情報の漏洩を防がなければなりません。そして、最後に土地所有権の問題です。有人地帯の飛行を実現させるためには、これらの課題を解消するための制度整備を行い、民間企業の力を借りながら、早急に対処していく必要があります。

 

 

3.まとめ

このようにして、着々と国をあげたドローン推進事業は進んでいます。合わせて、ドローン産業は今様々な盛り上がりを見せています。このコロナ禍において、人の移動をできるだけ抑えられる技術が注目されるようになった中で、ドローンの需要はより高まっていると言えるでしょう。こうした国の動きを見ていると、2022年度までにしっかりドローンの知識と技術を身に着け、ドローンビジネスについてのある程度のビジョンとプランを持つことで、大きな一歩を踏み出せることはまず間違いないのではないでしょうか。国の、ライセンス制度にも注目が集まっていくことでしょう。ドローンのビジネスの競争は、ますます活発になっていくことでしょう。

 

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