農業でのドローン活用の未来は明るい!スマート農業加速化実証プロジェクトとは
ドローンは様々な業界で活躍しており、この先も需要が拡大していくことは既に周知のことと思います。しかしこれからドローン産業に参入しようと考えておられる方や、これからドローンを勉強していこうと考えている方にとっては、ドローンの活用方法がどのようなものなのか未知な部分もあるかと思います。そこで、今回は特に農業分野でのドローンの活用方法と合わせまして「スマート農業加速化実証プロジェクト」という国の取り組みについてご説明していこうと思います。
1.ドローンと農業
農業というのは、人が生きていく上で絶対に欠かせない産業です。このため、どんなに技術が進歩して人間の仕事が削減されていったとしても、農業に関わる根本的な仕事は変わらず残っていくでしょう。話が逸れましたが、この農業だって技術の進歩とともに効率化されていっていますね。その一端を担うのが農業用ドローンです。さて、一体どのようにドローンが活用されているのでしょうか?
1-1.農業でのドローン活用方法について
農作業は、最終的に農作物を収穫して販売するところまで到達するために、かなり多くの期間と工程を踏みます。これが、人の手によって行われることを考えると、途方もない労力です。こういった大変な部分をドローンなどの機械に任せていくのが、後ほどご紹介する「スマート農業」になります。さて、実際にどのような活用がされているのでしょうか?
1-1-1.農業用ドローンを利用した農薬散布
これが最も農業用ドローンの利用でメジャーなものかと思います。ドローンを使って農薬散布をすることで様々なメリットがあることをご存じですか?これまでにも記事として取り上げてきましたが、改めて簡単にご紹介しておきます。
・人が農薬をまくよりも圧倒的に作業時間が短く済む。
・広大な農場も、ドローンなら少数で操作ができる。
・ムラなく農薬を散布できる。
作業時間については、ドローンを利用した場合は、おおむね従来の1/5まで短縮することができます。また、ドローンは軽量のものを選ぶことができるため一人で運搬も可能で、運転の際には基本的に自動運転となりますので、操作者と補助者など最低限の人数を用意したとしてもかなり少数で済むことがわかります。スタートしてしまえば、あとはドローンに任せておけば他の作業をすることができ、労働力と労働時間の削減につながります。
1-1-2.ドローンによる空撮で生育状況を確認
農薬散布だけでなく、ドローンを使えば空撮も可能です。ドローンで撮影した画像を確認することで、広大な農地の作物の生育状況を、室内で確認することができます。これは、労働力の削減だけでなく、例えば炎天下での労働者の安全確保という意味でもかなり有効ではないでしょうか。
こうした画像の利用だけでなく、ドローンが収集したデータを使えば、病害虫の発生状況などを調べることもでき、まさに一挙両得の活用方法なのです。
1-2.農業用ドローンの未来
ここで紹介した以上にも、農業用ドローンは将来性があります。例えば、ドローンを使った荷物の運搬によって、広大な農地での移動量を減らすことができます。先ほども触れたように、様々なデータ収集・解析までを行えるドローンは「精密農業」と呼ばれる農業に非常に向いていて、人間の力だけでは到底管理しきれない細かな部分までも網羅することができるようになります。
農業用ドローンは、まだ一般の方々では想像できないようなレベルでの活用方法が大きく期待される分野なのです。このようにしてスマート農業加速化実証プロジェクトという単語は、もう違和感なく受け入れられ、期待される時代になったと言えるのではないでしょうか。
2.スマート農業加速化実証プロジェクトの概要
農業用ドローンの未来については、その存在意義を少しは実感いただけたでしょうか。それでは、2章でタイトルにも記載のあった、スマート農業加速化実証プロジェクトについて、概要をご案内いたします。
2-1.‘時代’が来ている、スマート農業とは
スマート農業加速化実証プロジェクトについてご説明する前に、そもそもスマート農業とは何なのかということについてご説明する必要がありますね。農林水産省において、スマート農業は下記のように定義されています。
「ロボット技術やICT等の先端技術を活用し、超省力化や高品質生産等を可能にする新たな農業」
要するに、農業もデジタル化することで生産効率を上げ、かつ品質も向上していきましょう、というのがスマート農業です。農業というと、古来より人々の生活を支えてきた産業ですが、技術が進歩する前は基本的にすべてが人力で行われていました。畑一つ耕すのも、人の手によって行っていました。それが、近代に入って、様々な技術の進歩により農業も機械化が進んだのは、皆さんも知っての通りかと思います。そこからさらならデジタル化を進めることで、スマート農業は下記のようなメリットを得ることができます。
・生産性の向上に伴い、労働力削減することができる。
・農業技術をこれまでより簡単に継承していくことができる。
・日本の食料自給率を向上することができる。
農業が抱える問題の一つとして、若い担い手や後継者の不足が挙げられます。サービス業が盛んになったおかげで、第一産業に従事する若者が昔と比べて大幅に減ってしまっているのです。この問題の解消の糸口となるのがスマート産業。スマート農業の実践によって、生産性が向上する一方で、これまでのような人手は必要なくなります。また、デジタル化が進めば、誰にでも管理できるようになるため、これまでよりも農業参入へのハードルが低くなります。さらに、最終的には日本の食料自給率を向上することができるというメリットも生まれてくるのです。
2-2.スマート農業加速化実証プロジェクトとは
さて、ようやく本題に入れます。まず基本的なことを確認していきましょう。まず、スマート農業というのはまだまだ一般的な農家では浸透していないという現実があります。そこで、2019年度から農林水産省によって行われているスマート農業の実装促進プロジェクトがこれです。実際の農家でスマート農業を行い、2年かけてデータを収集し、スマート農業の効果や技術を検証するというものです。
現在、全国69箇所でこの実験が行われています。このプロジェクトに参加すると、データ収集や研究に協力しなければならないので大変な面も増えますが、スマート農業を行うための機械などの設置には費用を出してもらうことができます。もちろん様々な制約や基準はありますが、スマート農業に移行したくても費用の関係で踏み出せなかった農家にとっては、大きなチャンスとなることは事実です。
このプロジェクトの最終目標は、2025年までにすべての農家がスマート農業に移行していくというもので、現在このプロジェクトに参加している農家たちは、その先駆けとなる存在です。
2-3.より確実なデータ収集のための研究・開発
同プロジェクトでも、ドローンは導入されていますが、まだわたしたちが思っているように正確なデータの収集はできていません。例えば、空撮した画像を解析するためのアプリなどは、まだまだ改善の余地があります。これを改善し、さらに実用性の高いものにしていくのも同プロジェクトの目的の一つです。実際の農家と協力して、今農業用ドローンはさらなる進化を遂げようとしています。
3.まとめ
農業の世界では既に国をあげて、ドローンをはじめとするデジタル技術の導入が今まさに行われています。これによって、ドローンを使う人はますます増えていくことが予想されます。そうなった時、ドローンを扱えるというのは、大きなメリットとなるでしょう。農業に興味があり、ドローンの勉強をしたいという人にとっては、まさにうってつけの分野ですね。
こうした技術進化の情報をいち早くつかみ、お届けするのが全国に展開されているドローンスクールの一つの役割。特にDSJでは操縦技術だけではなく、情報発信をはじめとしたアフターフォロー体制を一層充実させるために、日々すべてにおいてアップデートを行っています。まずは情報収集のためにも、無料体験会等に参加されてみてはいかがでしょうか。
― お急ぎください。ドローンがもらえるかもしれない講習なんて聞いたことがありますか? ―
講習用ドローン「F450」を
お試しフライトできる!