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2018.06.11

2020.05.21

ドローンのお仕事〜精密農業〜

ドローンのお仕事〜精密農業〜

 

今回は農業分野でも次の時代の話「精密農業」についてお話したいと思います。

ドローンを活用した農業の中でも「農薬散布」については、今最も普及が進んでいる分野です。

そして、農薬散布の次に続く技術というのが、現在開発が進められている「精密農業」の分野なのです。

 

では、早速「精密農業」とは何なのか解説していきましょう!

 

精密農業って?

(出典:https://blog.micasense.com/using-ndvi-to-validate-fungicide-treatments-in-barley-2030df60cf42)

 

「精密農業」とは何か、分かりやすく言えば「農業の視える化」です。

 

専用のカメラを搭載したドローンが農場の上空を飛行し、農場全体のデータを収集することで、現在の農作物の生育状況を調査することができるようになります。

 

調査したデータは、専用のソフトウェアを使用することで、すぐに解析が可能。現在の作物の健康状態を知ることができ、農作物の病気や害虫、肥料不足の箇所などを特定することが可能になります

 

(出典:https://pix4d.com/industry/agriculture/)

 

例えば、圃場や生育状況に合わせた可変施肥が可能になるため、倒伏を解消し、作物の品質、収量を向上することが可能になりますし、余分な肥料を使わないため肥料コストを削減することも可能になります。

 

その他、農作物の窒素量などを確認することによって、味の美味しさを調整できると言われているため、これまで製法が難しいとされていた「ブランド米」のようなものも、データを活用することでより多くの人が導入しやすくなる、などのメリットもあります。

 

このように、以前まではそれぞれの農家さんだけが持っていた「経験や勘」と言ったものを、誰にでも分かるようにデータ化し、農業経営の効率化農作物の収穫増に繋げることができるのが「精密農業」の特徴なのです。

 

精密農業の仕組み

(出典:https://blog.micasense.com/using-ndvi-to-validate-fungicide-treatments-in-barley-2030df60cf42)

 

精密農業の仕組みとしては『マルチスペクトラムカメラ』を搭載したドローンでデータ収集を行い、植物の生育や健康状態を調査します。

 

『マルチスペクトラムカメラ』とは、赤と緑と人間の目には見えない「近赤外線」や「レッドエッジ」と呼ばれる4帯域の波長の光の反射を計測するカメラのことです。

 

ここで得たデータを解析用のツールなどを使い、最終的に「NDVI(正規化植生指数)」と言われる、光合成活動の活性度を見る指標を使って、マッピングを行っていきます。

 

精密農業では、この「NDVI測定」を行い、生育状況の分析を行っていくことが、一般的な方法となっています。

 

精密農業導入に必要なもの

(出典:https://www.micasense.com/)

 

精密農業を始めるためには、大きく分けて3つのものを用意する必要があります。それが「データ収集用カメラ」「ドローン」「データ解析用ツール」の3つです。

 

データ収集用カメラをドローンに取り付け、農場内を飛行させ、データを収集。集めたデータをツールに入れて解析する、というのが基本的な流れとなっています。

 

◆データ収集用カメラ

 

精密農業を始めるにあたって必要となるデータ収集用カメラですが、精密農業では一般的に「マルチスペクトラムカメラ」が使用されています。メーカーとしては「MicaSense(ミカセンス)」社のものが有名です。

(出典:https://www.micasense.com/rededge-m/)

(出典:https://www.micasense.com/parrotsequoia/)

 

MicaSense社は、アメリカのシアトルにある会社で、マルチスペクトルリモートセンシング技術により、精密農業における革新的な手法を提供しており、近年ドローンでの精密農業の分野において先進的な企業として知られています。

現在のところ、ドローン搭載用のプロダクトとしては、「RedEdge-M」「Sequoia」の2製品がラインナップしています。

MicaSense社:https://www.micasense.com/

 

◆精密農業用ドローン

(出典:https://www.micasense.com/)

 

精密農業としては、上記の「マルチスペクトラムカメラ」をドローンに取り付けることができれば、基本的にどのドローンでも調査を行うことが可能です。

 

「RedEdge-M」「Sequoia」の2製品を発売しているMicaSense社では、DJI社製ドローンに搭載できるキットなども合わせて販売しています。

参考URL:https://www.micasense.com/quick-mount-kit

 

また他にも、精密農業専用にカスタマイズされたドローンなども販売されています。有名なのがParrot社の「PARROT DISCO-PRO AG」です。

(出典:https://www.parrot.com/jp/ye-wu-yong-soriyusiyon/parrot-disco-pro-ag#parrot-disco-pro-ag-details)

 

「PARROT DISCO-PRO AG」は見た目が珍しい固定翼の飛行機タイプ

しかしその分通常のドローンとは違いかなり軽量化されているため、長時間のフライトが可能になっています。

また、高度な自動操縦機能も搭載し、1回のフライトで高度120 mで広さ80 haまでカバーすることができます。

 

◆データ解析用ツール

(出典:https://pix4d.com/industry/agriculture/)

 

ドローンによる空から収集した圃場全体のデータは、精密農業専用のツールを使い、解析を行っていきます。現在では、インターネット上から利用できるクラウド解析サービスを使うのが一般的です。

 

クラウド解析サービスでは、「PrecisonHawk」「PIX4D」などが、精密農業用ソリューションを提供しています。

 

「PrecisionHawk:PRECISION MAPPER」

参考URL:https://www.precisionhawk.com/agriculture#applications

 

「PIX4D:PIX4D MAPPER」

参考URL:https://pix4d.com/product/pix4dmapper-photogrammetry-software/

 

 

・・・いかがでしたでしょうか。ドローンにおける精密農業への取り組みをご紹介していきました。

 

今後は、さらにその先の話として、これらの精密農業のデータ解析結果を元に問題のある特定の農作物情報をクラウドに送り、ICT農機や農薬散布用ドローンなどと連携することで、「農業の自動化」を実現する日がやってくるかもしれません。

 

次々に加速するドローンの世界、まだまだこれからも楽しめそうですね。

 

~!ATCL×ドローンスクールジャパンニュース!~

先日、弊社パートナー会社である産業用ドローンの開発・販売を行う株式会社スカイロボット(本社:東京都中央区、代表取締役社長:貝應 大介)は、本記事でも紹介した世界の主導的な産業用ドローン技術プロバイダであるPrecisionHawk USA, Inc.(プレシジョン ホーク 本社:米国ノースカロライナ州ローリー市、CEO: Michael Chasen)と、日本におけるi-Construction対応ドローン3D空中測量、CIM及びドローン精密農業の分野でリセラー契約を締結いたしました。

それに伴いまして、今後弊社では、PrecisionHawk社のドローン業務ソリューションを提供予定となっています。詳細はまた別途、当ホームページより発表させて頂きますので、今暫くお待ちくださいませ。これからも弊社のスマート農業分野への取り組みに、ご期待ください。

 

※弊社ではドローンによる農薬散布作業や、精密農業導入におけるご相談を受付中です。

業務のご依頼・お問い合わせはこちらからご連絡ください。

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