【※重要】Matrice200シリーズとTB50、TB55バッテリーを利用の方へ
現在DJIより「TB50」及び「TB55」バッテリーを使用しているドローンについて、注意喚起&要アップデートのアナウンスが発表されています。
TB50、及びTB55バッテリーは、主にDJIの最新産業用ドローンである「Matrice200(マトリス200)シリーズ」で使用されるバッテリーで、「TB50」バッテリーに関しては「Inspire2(インスパイヤ2)」でも使用可能となっています。
もし、これらのバッテリーを使用している場合には、2018年11月16日以降に更新された最新のファームウェアに、なるべく早いタイミングでアップデートを行うようにしてください、とのことです。
最新のファームウェアにアップデートすることで、「TB50」「TB55」バッテリー問題への安全性と信頼性を向上させることが可能となります。
TB50及びTB55バッテリーを使用した際の問題
今回の問題は、TB50及びTB55バッテリーを使用してドローンの飛行を行った際、「電力レベルが誤表示される」という事象が発生するというものです。
DJIの発表によると、少数の報告ではありますが、電力レベルの表示が誤って表示されたため、ドローンの飛行中に電力が失われるという報告があったとしています。
この問題は、TB50、TB55バッテリーの電力管理システムに原因があるとしており、DJIでは、原因調査と解決策を究明中です。
現在、DJIより最新のファームウェアが公開中
DJIでは、このバッテリー問題を受け、11月16日に最新のファームウェアを公開しました。
本ファームウェアのバージョンより、問題があったバッテリー管理システムを強化し、飛行中の電力供給を最適化するシステムへと修正しています。
主なアップデート内容は以下となっています。
・離陸前のバッテリー温度の検出
温度の低いバッテリーでは、通常よりも低い電圧になり、充電状態(SOC)の値も低くなるとしています。
そのため、バッテリー温度が15度以上になることを推奨しており、新しいファームウェアからは、この温度状況を検出するようになりました。
※こちらも時間があれば参考にしてみてください。
「取り扱いに要注意!リポバッテリーの特徴と危険性、保管方法について」
・離陸前の充電状態の検出
今回新しくなったファームウェアより、実際のバッテリー電圧からSOC値を自動計算し、バッテリー本体からの充電状態(SOC)と相互で値を比較することになります。
これにより、読み取った充電状態(SOC)に大きさ差異がある場合には、ドローンを離陸することができなくなります。
・リターントゥホーム(RTH)または着陸
前述のバッテリー電圧から充電状態(SOC)値と実レベルの値に5%以上の差異がある場合、バッテリー残量が30%時には、リターントゥホーム(RTH)が発動されます。
また、残量が10%時には自動着陸が発動されます。
このように、今回のファームウェアのアップデートにより、飛行前、飛行中のバッテリー管理を、実際のバッテリー状況と電圧を元にした自動計算によるダブルチェックによって、より強固なシステムへと修正しています。
既存ユーザーは、早めにアップデートを
現在、DJIでは、安全性を大幅に向上させた最新のファームウェアへのアップデートを早急に行うように求めています。
このアップデートは、TB55、TB50バッテリーを使用するMatrice200シリーズやInspire2のユーザーのものですが、安全性向上のため、すべてのドローンユーザーが対象です。
ファームウェアのアップデートは、ある程度時間を要する必要があるため、フライト前の早い段階でアップデートを行うことが推奨されます。
なお、ファームウェアのアップデート方法につきましては、以下の記事、もしくはDJIのサポート動画を参考にしてください。
・「【①アプリ】DJIドローンの機体・送信機のファームウェアをアップグレードする方法」
・「【②DJI Assistant2】DJIドローンの機体・送信機のファームウェアをアップグレードする方法」
飛行前、飛行中はバッテリー確認を
DJIより最新のファームウェアのアップデートが公開されましたが、普段のドローンの飛行においても、バッテリーの電圧に関しては常に確認するクセを付けておきたいところです。
また、飛行前にはバッテリーの温度を上げておく、離陸後は地上付近でホバリングをさせ、ドローンの状態を確認するなど、普段の飛行における姿勢も大切になってきます。
ドローンで使用されるバッテリーは、小型ながら高いエネルギーを出力できる反面、取り扱いが難しいというデメリットも存在します。
ドローンユーザーとして安全な飛行ができるよう、ぜひ、日頃のバッテリー管理も心がけるようにしてくださいね。
それでは、ありがとうございました。
※参照
DJI「TB50およびTB55バッテリーを使用した飛行の注意喚起」
DJI「TB50およびTB55バッテリーのファームウェアアップデートを公開」