【ドローンと仕事】漁業・建築土木・水質調査。水中の作業を効率化する水中ドローンに注目!
空を飛んでいるイメージが強いドローンですが、実は水の中でも活躍が期待されていることをご存じでしょうか?
ここでは「水中ドローン」と呼ばれるドローンについて、今後どのような活躍に期待されているのかを解説します。
水中ドローンってどういうもの?
水中ドローンとは、水の中を潜水・潜航できる小型無人機の通称です。もともとはROV(Remotely Operated Vehicle)という名前で呼ばれていましたが、空を飛ぶドローンが登場して以降、使用する場所は異なるものの、用途が似ていることから、水中ドローンと呼ばれることが増えてきました。
水の中を活動するため、空を飛ぶドローンとはまったく異なる形状をしています。
卵のように丸いフォルムのものや、四角い箱のような見た目のもの、スクリューの代わりに尾ひれがついた魚のような形の水中ドローンもあります。
水中ドローンのもう一つの特徴として、その多くが有線でつながっている点です。水中は地上に比べて電波が伝わりにくい環境であるため、地上の様に無線操作は難しいのです。
操縦は、船上や陸上から水中ドローンに取り付けられたカメラを見ながらの遠隔操作(ラジコン)がメインで、プログラムやAIによる自動操縦の水中ドローンも徐々に増えています。
水中ドローンの活躍シーン
水中ドローンが実際にどのようなシチュエーションで活躍をしているのか、その一例をご紹介します。
漁業シーンで活躍する水中ドローン
現在、水中ドローンが最も活躍しているのは、漁業の現場です。
定置網漁に使われる網とロープは漁礁ブロックと呼ばれる、水中に沈めたコンクリートブロックによって支えられています。
これまで漁礁ブロックの設置場所の選定は、漁師たちの勘を頼りに行うというのが当たり前でした。
しかしいざ実際に海面に沈められたブロックを見てみると、傾いていたり不安定な海面に置かれてしまっていたりと、結果的に漁の効率を低下させることもありました。
水中ドローンを使うことで、事前に海面の様子が分かるようになり、漁礁ブロックを平らで安定した海面に沈められるようになりました。
また、定置網が破損していないかなどの定期点検作業も水中ドローンの登場により簡単に行えるようになりました。
水中ドローンは養殖場の現場でも活躍しており、魚の生育具合や、死骸の除去など、これまでダイバーが潜水して行っていた作業を、水中ドローンが代わりに行うことで、作業効率が格段に上がりました。
そのほかにも、小型ではありますが魚群探知機の機能を持った水中ドローンも登場しており、漁業分野での発展はまだまだ続くと見られています。
建築・土木分野でも活躍する水中ドローン
水中ドローンの活用は、漁業だけにとどまらず、建築・土木分野でも注目を集めています。
ダム施設や橋梁・橋桁、防波堤など水中建造物における水中検査は、これまではダイバーが潜水して行っていましたが、水中ドローンの登場により、作業が機械化。
ダイバーの体力的な負担軽減はもちろん、作業効率も大幅に改善されるようになりました。
また水中ドローンによって建造物に亀裂などを発見した場合、ダイバーが潜水して作業を行いますが、その際も水中ドローンを同行させ、地上にいる監視役が作業の様子をリアルタイムで確認し、水中作業の安全性の確保に役立っています。
まだまだある水中ドローンの活躍
上記で紹介したシーン以外にも以下のような活用方法がございます。
●海、川、湖の水質調査や生物生息状況の確認
●台風被害後の水質調査
●船の船体や船底、スクリュー周辺の水中調査
●危険水域の各種検査や異物検測
●工場の排水施設の点検や調査
●海難救助
●プールの水を抜かないまま点検
●テレビや各メディアでの水中撮影 など
水中ドローンが活躍するシーンは非常に多く、最近では新たな深海(水深1000m)調査手段としての開発が進むなど、水中ドローンの性能向上と合わせて、これまで以上に活躍の場が増えると言われています。
水中ドローンで期待されること
海は地球上の約71%を占めていますが、人間がこれまでに調査できているのは全体の10%以下といわれています。
日本は世界6位の排他的経済水域の面積を持つ海洋国家ですが、国内の漁業や潜水業に従事する人材は、高齢化と少子化などの影響によって減少の一途をたどっているのが現状です。
今後、漁業や海運、海洋インフラの発展においてIT技術を駆使して生産性を高めることは必須であり、その先頭に立つのが水中ドローンといっても過言ではありません。
そして水中ドローンと同じく、いま必要とされるのが、水中ドローンの操縦者なのです。
活躍の場が広がり続けている水中ドローン。今後もその需要は拡大し続けるのは間違いありません。まだビジネスといて確立していない、今こそ始めるチャンスと言えるのではないでしょうか。
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・水中ドローンの市場 ・法律 ・運用方法
・安全管理 ・機体の操作方法 など
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