ドローンを利用した宅配はうまくいく?メリット・デメリットをご紹介します!
前回、ドローンを利用したビジネスのご紹介をしましたが、その中でドローンを利用した宅配について触れました。特に、今年は新型コロナの影響を受けて、飲食店はあらゆる方法で新しいサービスの形を模索している状況です。その中で、ドローンの活用がうまくいけば、今後別の感染症が流行したとしても、新しいサービスを提供し続けることが可能となるでしょう。さて、現時点でのドローンを活用した宅配のメリットとデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?
1.ドローン宅配の現状
ドローン宅配についてはかなり前から話題になっていましたが、実際にはどのような段階にあるのでしょうか?海外の情報も合わせて、ご紹介していきます。
1-1.ドローン宅配の実証実験
以前もご紹介しましたが、もう一度おさらいしておきましょう。
日本では現在、ドローンを利用した宅配の実証実験が行われています。これが、「東京都におけるドローン物流プラットフォーム社会実装プロジェクト」という名で、正式に発表されています。このプロジェクトに参加するのは、KDDI・日本航空・JR東日本・ウェザーニュース・Terra Droneです。実験が行われるエリアは、現段階で東京都内湾岸エリアおよび都心の駅周辺ということで、期間としては2020年の8月から2022年3月までとしています。この5社が競合していくというわけではなく、それぞれの得意分野を活用して連携を行ってプロジェクトを進めていきます。
このプロジェクトでは、フードデリバリーだけでなく、医薬品などをドローンで配達することや警備なども想定されています。ドローンを利用した警備というのは、新しいビジネスモデルになりそうですね。
1-2.Amazonはドローン配送サービスを実用化
後の部分でも出てきますが、Amazonは既に7年前からドローンの配送サービスに着手しており、実証実験も重ねていました。ついに、米連邦航空局からドローンを利用した「航空運送業者」として指定を受けたということで、ニュースになっていましたね。2019年6月に、アメリカでドローンの実証実験を行うための許可を得たのですが、それから1年で米連邦航空局の許可を得ることができたという流れです。プライムエアと呼ばれるドローン配送サービスに着手したのは2013年のことなので、実に7年の努力の成果となりました。今後の実用化が楽しみになるニュースです。こうした例が出てくると、いよいよドローンの宅配サービスが当たり前になる時代がやってきますね。
2.ドローン宅配の特徴
日本では最近、ウーバーイーツがかなり流行っていますが、人による宅配とドローンによる宅配にはどのような違いがあるのでしょうか?ドローンを利用した宅配のメリットとデメリットについてまとめていきます。皆様も、想像してからお読みいただくとおもしろいかもしれません!
2-1.ドローン宅配のメリット
ドローンを利用した宅配のメリットとは一体何なのでしょうか?
〇直線的な宅配ができるので、時短になる
〇人手不足を補うことができる
〇空路を使った宅配の中でもコストが低い
〇過疎地などへの宅配も可能
ドローンの飛行高度は、日本国内では150m未満となっています。この高度での空の宅配を考えると、障害となるものは大きなビルや鉄塔などの建物くらいで、人口の飛行物との衝突などはあまり考えられません。つまり、この高度を飛ぶことでドローンは直線的に宅配をすることができ、人がバイクなどを使って陸路で宅配するよりも早く到着することができます。例えば、Amazonは既にドローンを使った宅配の実証実験を行っています。2016年の時点で、注文を受けてから15分で宅配を完了したという記録が残されています。こうした通信販売サービスの場合、倉庫の位置によって届けられる範囲が限られてくるとは思いますが、近隣に住む人たちにとっては非常に便利なので、利用者が増えるでしょう。
こうしたメリットを筆頭に、今でこそウーバーイーツによる宅配で、かなりの人手不足を補っていますが元々の業界の人手不足をドローンで補うこともできます。人の宅配が増えたことによって、様々な社会問題も浮上していますよね。例えば、宅配員のマナーの悪さやトラブルなどです。こうした問題は、ドローンを利用することによって防ぐことができます。
さらに、これまでは空路を使った宅配は飛行機やヘリコプターなどを利用しなければならなかったので、非常にコストがかかる上、小さな物や小ロットのものの宅配には不向きでした。むしろ、個人の注文で利用することなんて絶対にないですよね。これが、ドローンによって可能となるのです。牛丼一個でさえ、空を飛んで持ってきてくれるのは、すごくありがたいことですよね。
さらに、過疎地への宅配もメリットとされています。過疎地というのは、基本的に高齢者の居住が多いとされています。高齢者の方が自力で買い物に行くのはなかなか難しい環境で、ドローンを使った物資支援ができれば非常に安心・安全です。さらに過疎地だけでなく、被災地など人が踏み入れにくい場所でも活躍することでしょう。
2-2.ドローン宅配のデメリット
メリットだけを見ると、ドローン宅配が早く実現されたらいいなと思いますが、物事には表と裏があります。ドローン宅配には一体どのようなデメリットがあるのでしょうか。
- 商品の破損や紛失の可能性がある
- ドローンごと盗難に遭う可能性がある
- 重量のあるものは運べない可能性がある
- ドローン宅配を悪用したトラブルや犯罪が起きる可能性がある
- 受け取りの際の本人確認の問題がある
- 悪天候時に宅配ができない場合がある
ドローン宅配は、人を介さないことが一番大きなメリットなのですが、それが様々なデメリットを生じさせる要因にもなります。
要するに、宅配中のドローンが安全に依頼地にたどり着き、本人に届けることができるかどうかという問題があるのです。宅配中に、ドローン自体が破損して墜落することもあるでしょうし、商品を落としてしまって何も届かないというトラブルも起きるでしょう。こうしたトラブルをどう防ぐか、トラブルが起きた時にどう対処するのか、という問題がなかなか解消することができずにいます。ドローンの墜落ともなれば、けが人が出るかもしれないですから、結構重大な問題ですよね。
さらに、こうした便利なサービスを悪用する人は必ず出てきます。ドローンだけ盗んで転売するということや、宅配物を泥棒するという人も出てくるでしょう。あるいは、ドローンに何らかの仕掛けをして犯罪に悪用するということもあります。盗撮、バイオテロなどやろうと思えばできてしまいますよね。実際に、ロシアではドローンの宅配実験中にドローンがアパートにぶつかって壊れるという事故も起きていますから、しっかりと問題の対処について考えていかなければなりません。
3.まとめ
今回は、ドローンの宅配サービスに着目して、その現状とメリット・デメリットについてまとめていきました。これまでにご説明した通りに、良さもあればデメリットも存在するのは、世の常かもしれません。しかし、この対策をしっかり講じることができたとき、メリットが強く浮かび上がり、世の中に必要とされる存在になるわけです。そして、欠かせない存在となり、高いビジネス価値を生み出すことができるのです。ドローンの産業に向けて参入の準備をしておくことは、個人はもとより企業にとっても大きな将来的メリットを産むことに繋がるでしょう。
Amazonの例のように、日本で行われているプロジェクトでも良い結果を残して、ドローン宅配サービスが実現されことを願うばかりですね。その時は、よりドローンの需要が増し、様々なビジネスが展開しやすくなることは間違いありません。ドローン業界の参入妥当性について相談したいときは、旭ドローンスクールの無料体験会でご対応が可能!完全無料で、ドローンの操作を体験しながら、市場規模や、それぞれの方に向けて最適な情報をご提供します。また、有料スクールへの無理な勧誘を行いませんので、まずは参加してみて下さい。