ドローンスクールは本当に意味があるのか?卒業生にホンネを聞いてみた
現在、ドローン産業自体の伸び率は毎年増加の一途をたどっており、PwC(※)の発表によれば、世界で15兆円以上の潜在市場があるとも言われています。
※PwC・・・「プライスウォーターハウスクーパース」。ロンドンを拠点とする世界最大級のサービスファーム
そんな中、現在、全国各地で続々と開校しているのが「ドローンスクール」です。
最近では多種多様なドローンスクールが登場しており、ドローンスクールを検討する者にとっては、どのスクールを選んでよいのか正直判断が難しいのが現状です。
そこで今回は、そんな乱立するドローンスクールの実態を暴くべく、株式会社旭テクノロジー(ATCL)が運営するドローンスクール「ドローンスクールジャパン兵庫姫路校」のインストラクターが、実際に卒業生の所へお邪魔し、ドローンスクールを受講した感想を本音トークで聞いてきました。
一体ドローンスクールではどういうことをやっているのか?
実際のところ、ドローンスクールを受けた後、何か変化はあったのか?
そもそもとして、ドローンスクールに意味はあるのか?
実際に受講した卒業生でしか語れない「生の声」を聞いてきましたので、ぜひご覧ください。
<ワンズ株式会社 代表取締役 高田さん>
-ドローンインストラクター木村:
本日はお時間を頂きましてありがとうございます。
まずは高田さんのお仕事を教えて頂けますでしょうか。
-ワンズ株式会社 高田さん:
現在は建築関係の仕事をしており、高田工務店の仕事を手伝いながら関わった建物や物の写真などを撮影しています。
その他にも太陽光発電所の設置完了後の写真、最近だと年賀状の写真など、知り合いを通じて様々な写真撮影をさせてもらってます。
-ドローンインストラクター木村:
高田さんは現在お一人でお仕事をされているのでしょうか。
-ワンズ株式会社 高田さん:
そうですね。工務店の太陽光の仕事を手伝いながら、店舗のデザインなどをしたり、現場の監督などもやっています。
そこで太陽光や風力をやっていた関係で御社の社長やドローン、井上くん(※現ドローンスクール姫路校のインストラクター)と繋がっていった、という感じですね。
-ドローンインストラクター木村:
もともとドローンは好きだったんですか?
-ワンズ株式会社 高田さん:
スクールを受ける最初はのり気じゃなかったんですよ(笑)。
ただ受けてこいと言われて。でもやっているうちにこれは面白いなと。
-ドローンインストラクター木村:
なるほど。現在はドローンを活用して写真撮影などをされているということですが、やってみた感想などは何かありますか。
-ワンズ株式会社 高田さん:
ドローンをやっていて感じることは「孤独感がある」ということですね。
一人で撮影しているとドローンの操縦とモニターの確認の両方に対応することになるので、どうしても撮影したい風景の一瞬を逃してしまうことがあります。
アシスタントがいればよいのですが、素人の人がしても不安ですし。
最近だと船を撮影する機会があったんですけど、目視外で撮るとめちゃくちゃ恐いんですよ。
船の帆の部分とか遠近感が分からないし、ドローンが見える所で撮影しようとすると自分が写っちゃうし。
なのでとにかく撮影に関してはチームプレーが必要だと感じました。
今後はドローンのネットワークを築いていきたいと考えています。
-ドローンインストラクター木村:
なるほど、そのチームプレーを強化するため、今後はドローンのネットワークを築いていきたい、と考えているんですね。ちなみに、スクールで受けた内容って役に立ってます?(笑)
-ワンズ株式会社 高田さん:
役立ってると言えば役立ってるけど、今のドローンって性能が良すぎるから役立ってないかも。(笑)
何もしないでも自分の位置で止まりますよね。
だからスクールでやったことは悪環境での練習だと思ってます。
でも逆を言うとスクールで基礎ができたからこそ余裕の気持ちが持ててるとも言えますけどね。
と言いつつ、この前橋の撮影でめっちゃ流されてビビッたけど(笑)。
-ドローンインストラクター木村:
それはGPSを切っていたんですか?
-ワンズ株式会社 高田さん:
いや橋の下にドローンがいたのでGPSが勝手に切れたんですよ。
100m進むのに10分ぐらいかかって、あれはもうダメだと思いましたね。
-ドローンインストラクター木村:
ということは、そのような状況でも何とか対応できたのでは、今まで受けたスクールの技能があったから、ということもあるのかもしれないのですね。
ちなみに仕事を取る上での話なんですけど、スクールの「資格」というものは役に立つのでしょうか。
-ワンズ株式会社 高田さん:
資格はやっぱりあった方がいいですね。
仕事を取る時にもよく「独学でやってるのかスクールを受けたのか」は聞かれるので。
その時スクールを受けて資格を持っていることを話すと「じゃあお願いします」となります。
行くと行かないとではやはりお客さんからの見られ方が違いますね。
ヘリポートでレースを開催する際も管理の人にどういうことをするか企画書が欲しいと言われて提出したら
喜んでくれて。
こちら側もきちんとした対応ができれば信頼してくれ、そこから実績が広がっていくことが実感できましたね。
そういったドローンの窓口を今後僕が担当して、色々なお仕事に携わっていければと良いと考えるようになりました。
-ドローンインストラクター木村:
やはりドローンは空を飛ぶ危険なものなので、事故が増えれば増えるほど、信頼できる人に依頼するようになりますよね。
-ワンズ株式会社 高田さん:
実績も増えますしね。そういう風に法的にも周りへの気配りなど、きちんとした対応を含めて業務を行っていく必要があると思っています。
-ドローンインストラクター木村:
そうですね。では、最後に、今後我々ドローンスクールに求めたいことなどはありますか?
-ワンズ株式会社 高田さん:
「仕事ください」というはやっぱり嫌なので(笑)。
自分で仕事を取りに行った時に協力してくれれば助かるな、というのがあります。
逆にこっちにも「手伝ってくれ」みたいな両方がパートナーみたいな形でやっていければいいなと。
-ドローンインストラクター木村:
高田さんが考える最終的なビジョンみたいなものはあるんですか?
-ワンズ株式会社 高田さん:
ドローンの業界自体色々ありすぎて今はまだこれ、というものはないですね。
物資の輸送や農業など興味はありますが。
今はとりあえず、それぞれの分野の方とお知り合いになって、手を組んでいくことが目標です。
-ドローンインストラクター木村:
では、その一端をドローンスクールが担えたということで宜しいですか?(笑)
-ワンズ株式会社 高田さん:
そうじゃなかったらここまでこれてないので(笑)。
やはり一番はドローンの楽しさを教えてもらえたことが大きいと思ってます。
これからも頑張っていこうと思っていますので、ぜひ今後も協力してください。
-ドローンインストラクター木村:
はい、こちらこそ。本日はどうも有難うございました!
誰にでも笑顔で接してくれる高田さん。
ドローンを通じて色んな人と交流できることが特に楽しいとの感想がとても印象的でした。
様々なドローンスクールがありますが、今回インタビューして感じたことは、受けてみて良かったかどうかは結局、「そのドローンスクールが本人に合っていたかどうか」に関係しそうです。
スクールはドローンに興味がある同士が繋がれる場所ですので、最終的にはインストラクターと気が合うかはとても重要な要素だと思います。
ぜひ、気になるスクールがあるようでしたら、一度訪問をしてみて、「ここなら通ってみたい」と思える所なのかどうか確かめてみるのも良いのではないでしょうか。
それでは今回はここまで。また次回にお会いしましょう!
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今回のインタビューの完全版はYouTubeにて公開中!
記事では編集できなかった生の声の数々を、ぜひご視聴ください!
■YouTube
「卒業生のホンネ①~ワンズ株式会社代表取締役高田さん~【前編】」