ドローンの需要は年々高まっており、ドローンの操縦技術を身につけたい人も増えています。ドローンの操縦技術を身につけたい場合、ドローンスクールに通うことが一般的です。この記事では、ドローンスクールの選び方や安いドローンスクールのメリット、デメリットなどについて解説します。できるだけ安くドローンスクールに通いたいと考えている人は、ぜひ役立ててください。
目次
ドローンスクールとは
ドローンスクールとは、ドローンについての知識や操縦技術を身につけるためのスクールです。昨今はさまざまな分野でドローンの需要が高まっており、ドローンの資格取得を目指す人も増えています。資格がなくてもドローンの操縦自体はできますが、ドローンの知識や操縦技術を独学だけで習得することはおすすめできません。
間違った知識でドローンを運用すると、重大な事故を発生させる可能性があるためです。ドローンスクールに通い資格を取得すれば、申請手続きの簡略化や操縦技術と知識の証明など、さまざまなメリットを享受できます。
ドローンの資格には「国家資格」と「民間資格」がある
ドローンの資格は、国家資格と民間資格の2種類に分けられます。それぞれの違いについて解説します。
ドローンの国家資格とは
ドローンの国家資格として、無人航空機操縦者技能証明の名前が挙げられます。「無人航空機操縦者技能証明」とは、2022年12月5日からスタートした国土交通省の資格制度です。技能証明は一等資格と二等資格に区分され、有効期限は3年間と定められています。対象年齢は16歳以上で、限定変更を行えば夜間飛行や目視外飛行も可能です。
ドローンの民間資格とは
ドローンには国家資格のみならず、民間資格もあります。民間資格は、各団体がそれぞれの名称で発行していることが特徴です。民間資格を取得すると、ドローン経験者として認定され国家資格の学科や実技の時間が短くなります。国家資格の取得を検討している人は、まずは民間資格から取得するとよいでしょう。
【資格別】ドローンスクールの費用相場
ドローンスクールの費用相場は、取得する資格によって異なります。ここでは、資格別の費用相場について解説します。
【国家資格】無人航空機操縦者技能証明
無人航空機操縦者技能証明とは、ドローンの操縦技術や知識を証明する国土交通省の資格です。民間資格と異なり法的な効力のある資格のため、取得できればドローンでできる仕事や作業の範囲が広がります。無人航空機操縦者技能証明には一等資格と二等資格があり、一等資格に合格するためにはより高い安全性基準をクリアしなければなりません。
- 受講費用の目安は初学者の場合、一等資格で80万円前後、二等資格で30万円前後です。
【民間資格】無人航空機操縦技能
無人航空機操縦技能は、JUIDA認定スクールにおいてJUIDAが定める科目を修了した操縦士が取得できる資格です。ドローンの操縦経験がなくても取得が目指せる資格ですが、受講に年齢制限が設けられています。受講資格が得られるのは16歳以上で、未成年は親権者の同意書を用意しなければなりません。
- 受講費用の目安は、15〜40万円程度で、資格を取得すると、合格証明書以外に証明書ケースやバッチなどが交付されます。
【民間資格】無人航空機安全運航管理者
無人航空機操縦技能に合格すると、無人航空機安全運航管理者の受講資格が得られます。無人航空機安全運航管理者は、ドローンの運用に関する十分な安全と法律の知識を学ぶための資格です。無人航空機操縦技能と同じく年齢制限が設けられており、18歳以上でなければ受講資格が得られません。
- 受講費用の目安は5〜7万円程度で、多くのカリキュラムは4日程度で終了します。交付される証明書には期限があるため、発行から2年以内に更新手続きをしなければなりません。
【民間資格】DJI CAMPスペシャリスト
DJI CAMPスペシャリストは、ドローンメーカーDJIが作った民間資格です。ドローン販売店をはじめ、さまざまな団体が講習を実施しており、2日間のカリキュラムでDJI CAMPスペシャリストを目指せます。講習では、主にDJI製ドローンの正しい知識や操縦方法、飛行モラルの習得を目指します。
- 受講費用の目安は5〜10万円程度で、10時間以上のフライト経験がない人はコースの受講資格がありません。
【民間資格】ドローン操縦士回転翼3級
ドローン操縦士回転翼3級は、DPAこと一般社団法人ドローン操縦士協会が管理している民間資格です。ドローンに関する基本的な知識や操縦技術を証明するための資格で、現在3級のみ存在しており2級と1級はありません。受講費用の目安は20〜40万円程度で、受講資格は15歳以上かつ視力や色覚、身体要件に問題がないことです。
- 資格の取得後は2年ごとの更新制となっており、1万2,000円の更新費を都度用意しなければなりません。
【民間資格】DRONEフライトオペレーター
DRONEフライトオペレーターは、一般社団法人ドローン撮影クリエーターズが管理している資格です。コースはBASICとADVANCEDの2種類があり、受講費用として前者が5万5,000円、後者は9万9,000円かかります。コースの受講だけでは操縦時間が10時間を超えないため、受講のみで認定資格は取得できません。
安いドローンスクールを選ぶメリット・デメリット
安いドローンスクールには、メリットとデメリットがあります。具体的にどのような利点と欠点があるのか解説します。
安いドローンスクールを選ぶメリット
安いドローンスクールを選ぶメリットとして、初期費用を抑えられる点が挙げられます。ドローンの操縦技術を身につけたあとも、ドローン機の購入やライセンスの更新費用など、お金がかかるシーンは少なくありません。また、安価なドローンスクールで民間資格の取得ができれば、より汎用性の高い国家資格の受験資格も得られます。
安いドローンスクールを選ぶデメリット
ドローンスクールの安さだけにこだわると、選択肢が狭まってしまう点がデメリットです。たとえば、値段にこだわって遠方のドローンスクールに通う場合、通学時間や交通費などの負担が大きくなります。結果、節約した学費以上にお金と時間を浪費する可能性があります。
また、安いドローンスクールは、カリキュラムや講師によるサポートが不十分であるケースも少なくありません。ドローンの操縦経験が浅い人は、値段が高くてもカリキュラムやサポートが充実しているドローンスクールを選ぶことをおすすめします。
ドローンスクールは「安さ」だけで選ばないほうがよい
メリットデメリットはあるものの、ドローンスクールを値段の安さだけで選ぶことはおすすめできません。値段の安いドローンスクールは、サービスの質も値段相応の場合があるからです。サポート体制やカリキュラムに問題があるドローンスクールでは、基本的な操縦技術すら学べません。まとまった金額がかかるからこそ、納得のいくサポートや指導を受けられるスクールを選びましょう。
助成金の活用で受講費用を抑える方法もある
事業者が従業員をドローンスクールに通わせる場合、厚生労働省の助成金である人材開発支援助成金の利用も検討できます。利用条件はいくつかありますが、受講者の雇用保険の有無をはじめ、一般的な企業運営をしていれば問題なくクリアできるものばかりです。最大で受講費用の約6割が助成されるため、興味を持った人は厚生労働省の公式サイトをチェックしてみましょう。
※参考:人材開発支援助成金|厚生労働省
失敗しないためのドローンスクールの選び方
ドローンスクール選びに失敗しないためには、どのようなポイントを押さえればよいのでしょうか。以下、ドローンスクールの選び方のコツについて解説します。
無料の体験会がある
気に入ったドローンスクールを見つけたら、必ず無料体験会に参加しましょう。どの資格を取得するにしても、受講費用の金額は無視できません。お金を無駄にしないためにも、実際にスクールの雰囲気や施設を確認できる無料体験会に参加してください。スクールによっては施設の見学のみ実施している場合もあるため、授業の体験ができるか事前に確認しましょう。
実技講習が充実している
ドローンスクール選びに悩んでいる場合は、実技講習が充実しているスクールを選びましょう。ドローンの資格を取得するためには、基本的に10時間以上の操縦経験が必須です。実技講習の時間が不十分である場合、そもそも資格の受験資格を満たせなくなります。
実技講習の時間が充実していれば、ドローンの操縦スキルを向上させたい人も満足できるでしょう。少人数制やマンツーマンの講習だと、より安心できます。
カリキュラムのスタイルや日程がマッチする
カリキュラムのスタイルや日程が、自分に合っているか必ず確認しましょう。ドローンスクールは通常、実技と座学が用意されていますが、講習の形式は通学から合宿、オンライン受講まで多種多様です。自分の気質や普段の生活スタイルに合わないドローンスクールを選んでしまうと、そもそも講義の受講すら困難になります。
ドローンスクールは自分の希望やスケジュールに合っているか、また受講しやすいかで選びましょう。
卒業後のフォローがある
ドローンスクールを選ぶときは、卒業したあとのフォローが充実しているか否かも確認してください。ドローンスクールによっては、国土交通省への許可申請や機体の初期設定などをサポートしてくれる場合があります。また、卒業後も練習場の使用ができるスクールであれば、よりドローンの操縦技術を向上させられるでしょう。
実際にドローンを現場で活用する業務を行っている
スクール運営のみで、資格取得対応がメインの場合、実際に現場で必要とされる技術や操縦のポイントがズレている可能性があります。業務で活かせる操縦技術を身につけたい人は、業務でドローンを活用している運営会社のスクールを選びましょう。講師も現場経験豊富で、リアルな現場で活きる操縦技術を身につけられます。
まとめ
予算に余裕がない場合は安いドローンスクールも選択肢に挙がりますが、カリキュラムの内容やサービスに不安が残ります。ドローンスクールは今回の記事で取り上げたポイントを踏まえたうえで、慎重に探してください。めぼしいドローンスクールが見つからない場合は、株式会社旭テクノロジー(ATCL)のスクールがおすすめです。
国土交通省の認定登録講習機関であり、ドローンの免許が取得できるスクールでは7年で2,000人以上の卒業生を排出しています。自社事業にドローンを導入し現場で活用してきた実績もあるため、ドローンの導入支援も可能です。興味を持った人は、ぜひ一度公式サイトをご覧ください。