i-Construction(アイ・コンストラクション)ってなに?ドローンの活用や導入方法について解説!
現在、建設現場では「i-Construction(アイ・コンストラクション)」と呼ばれる、新しい取り組みが行われています。
「i-Construction(アイ・コンストラクション)」とは、ICTの全面的な活用を建設現場に導入することにより、建設生産システム全体の生産性向上を図り、魅力ある建設現場を目指す取組みのことです。
国土交通省が2015年12月に表明したこの新しい基準により、ドローンの活用の動きが加速しており、もはや建設業界にとってドローンは、切ってもきれない関係です。
そこで今回は、既に導入の動きが始まっているこの「i-Construction(アイ・コンストラクション)」について、その内容と特徴、そしてドローンの利活用に向けた動きについて解説していきたいと思います。
・i-Construction(アイ・コンストラクション)とは
「i-Construction(アイ・コンストラクション)」とは、調査・測量から設計・施工・維持管理までのあらゆるプロセスで、ICT活用を進めることで、生産性が高く魅力的な新しい建設現場を創出することを目的とした取り組みです。
そもそも「ICT」とは「Information and Communication Technology(情報通信技術)」のことで、主に「人と人」、「人とモノ」における双方間の”コミュニケーション”に焦点を当てたIT技術を指しています。
国土交通省が2015年12月よりこの「i-Construction(アイ・コンストラクション)」を表明し、従来の紙図面から3次元データによる15の新基準や、ICT土工の活用に必要な新たな積算基準が導入されるなど、様々な取り組みが開始しました。
さらに、2016年9月12日の未来投資会議においては、建設現場の生産性を2025年度までに「2割向上」を目指す方針も示されました。
また、現在ではすでに土工、舗装工、浚渫工(港湾局)などの現場では、ドローン測量による、施工、検査に至る建設プロセス全体の3次元データ化が進められている状況です。
そしてその後、2017年12月に閣議決定された「新しい経済政策パッケージ」では、2019年度までに橋やトンネル、ダムなどの公共工事の現場全てのプロセスに対象を拡大しており、中小事業者や自治体への3次元データの活用やICT導入への支援をさらに強化していく方針です。
■参照:「国土交通省:i-Construction推進に向けたロードマップ」
・i-Construction(アイ・コンストラクション)が目指すもの
これまで建設産業全体では、製造業とは違い、作業現場が毎回異なることや元請や下請けなどによる複雑な分業制などによって、作業の標準化や仕組み化を行うことが難しく、生産性向上への取り組みが行いにくい状況でした。
しかし、近年の新規投資における建設需要や、深刻な人手不足により、作業の効率化を行うことは急務となっているのが現状です。
そこで、i-Constructionを導入することにより、生産性を向上させ、建設産業として、以下のような、より良い業界の実現を目指しています。
1. 一人一人の生産性を向上させ、企業の経営環境を改善
2. 建設現場に携わる人の賃金の水準の向上を図るなど、魅力ある建設現場へ
3. 建設現場での死亡事故ゼロに
4. 3K「きつい、危険、きたない」から新3K「給与、休暇、希望」を目指して
そして、これらのゴールの実現に向けて、i-Constructionでは、主に3つの取り組みを掲げています。
・i-Construction(アイ・コンストラクション)の3つの施策
国土交通省では、i-Constructionへの取り組みに関して、主に以下3つの施策を挙げています。
1. ICT技術の全面的な活用(土工)
土工における調査・測量、設計、施工、検査等のあらゆる建設生産プロセスにおいて、ICTを全面的に活用。
現在の紙図面を前提とした基準類を変更し、3次元データの活用。
そのための15の新基準や、ICT土工の活用に必要な経費を計上するための新たな積算基準を導入。
UAV(ドローン)による3次元測量や3次元データ設計図の作成、ICT建機による施工の実現など。
2. 規格の標準化(コンクリート工)
設計、発注、材料の調達、加工、組立等の一連の生産工程や、維持管理を含めたプロセス全体の最適化を図り、サプライチェーンの効率化、生産性向上を目指す。
コンクリート活用におけるガイドラインを策定。
その他にも鉄筋をプレハブ化、型枠をプレキャスト化する、各部材の規格(サイズ)を標準化するなど、効率的な工法による省力化、工期短縮(施工)を実現。
3. 施工時期の平準化
年度末に工期が集中する一方、年度明けは工事量が少なく、偏りが顕著。
そのため、i-Construcitonでは平準化された工事件数を確保するために2か年国債やゼロ国債を設定。
技能者の収入安定、発注者の計画性の向上、受注者の人材・機材への効率的な配置が実現する建設産業を目指す。
このような施策の中、国土交通省では特にICT技術の活用による作業効率化を前面に押し進めており、従来の紙ベースの基準類ではなく、今後は3DデータによるICT土工を推進しています。
そのため、建設現場における各工程「調査・測量・設計」「施工」「検査」で使用する新たな「3次元データによる15の新基準」を設定しました。
公共測量では従来からの3Dレーザースキャナーに加えて、ドローン(UAV)を使った写真測量も加わり、公共測量の成果などには「3D点群データ」なども追加されることになりました。
これによって、ICT土工用の設計を行うための詳細な地形データが、工事前段階の測量段階から用意することが可能になります。
また、従来では1枚ずつ手入力で作成していた計測結果などの検査書類も、点群データの検査結果をまとめた1枚の書類で済むなど、検査書類の大幅な削減も可能です。
・ドローンの活用分野
3次元データの全工程導入に向けて新たに導入された新基準では、UAV(ドローン)を用いた3次元点群データを作成するための「測量マニュアル」が作成されています。
ドローンによる測量では、「調査・測量」「設計」段階で写真測量により測量データを3Dで生成することができ、施工計画時に必要な施工量を自動算出することが可能になります。
従来の測量方法では数千地点を測量するのに約1週間ほどの時間がかかっていましたが、ドローンを用いることで数百万地点の測量を15分で完了することができ、時間節約にも有効です。
その他、「検査」項目にもドローンを利用することができ、ドローン等による3次元測量を活用した検査等では、出来形の書類が不要となり、検査項目が半減、これまでに必要とされていた大量の書類提出が不要になります。
例えば、新基準による「監督・検査要領(土工編)(案)」等を導入することにより、検査書類が1/50に減ると言われています。
■参照:
・国土地理院「UAVを用いた公共測量マニュアル(案)」
・国土交通省「空中写真測量(無人航空機)を用いた出来形管理の監督・検査要領(土工編)(案)」
・国土交通省「i-Construction~建設現場の生産性革命~」
・初めてのドローン測量にオススメの機体
このように「i-Construction(アイ・コンストラクション)」が進む建設業界ですが、では、これからドローン測量を始めようと思った時、何から手をつければよいのでしょうか。
ICTを活用する場合、何よりも危惧されることが「値段が高い」「取扱が難しい」というものです。
そこで、まず最初にドローン測量を行う場合にオススメなのが、DJIから発売されている「Phantom4 Pro V2.0」という機体です。
「Phantom4 Pro V2.0」は機体価格が20万円ほどでありながら、高性能な各種センサーを数多く搭載しており、機体の安定感が抜群です。
またGPSを利用することで、アプリ上から簡単に自動飛行による写真撮影を行うことができるため、工事前の調査段階から使用することが可能です。
測量関係者の方に聞くと、本機体は比較的安価に導入することができるため、もしドローンをぶつけたり、墜落させたとしても機体損失への心配の度合いが全然違う、ということが何よりも良い点とのことです。
また、本機体は世界シェア70%以上を誇るメーカーの最もスタンダードな機体となっていますので、インターネット上で情報を検索しやすいのも魅力の一つです。
ぜひこれから測量分野へのドローン導入をお考えの際は、本機体について一度ご検討ください。
※機体の詳細はこちらから確認ができます↓
「趣味に仕事に大活躍!売れ筋No.1ドローン「Phantom4 Pro V2.0」の特徴や違いについて」
いかがでしたでしょうか。
建設業界で話題の「i-Construction(アイ・コンストラクション)」の特徴とドローンの活用方法ついて解説してきました。
内容が複雑なため、やや難しい部分もあったかもしれませんが、まずICT活用において重要なのが、ドローンなどに代表されるIT機器に実際に触れてみることです。
ぜひ時間を見つけて、今後の建設業界の新しい取り組みにチャレンジしてみてくださいね。
※ドローンの導入について※
ドローンの飛行に関するルールは国土交通省のホームページにて確認することができます。
ドローンには墜落事故が発生する可能性もあるため、細かいルールが定められており、安全な飛行のためのガイドラインや法律違反とならないためのルールなどをよく理解しておく必要があります。
弊社では、ドローンの操縦者に講習会の受講を促し、操縦技能の底上げを図ることを目的とした、無人航空機の講習団体及び管理団体として航空局のホームページに掲載されています。(※「無人航空機の講習団体及び管理団体一覧」)
本ホームページに掲載された講習団体の講習を修了した者は、飛行許可を受ける際に、無人航空機の操縦の知識や能力に関する確認を簡略化することができるため、大変便利です。
ぜひ今後のドローンの利活用をご検討の方は、講習の受講をご検討ください。
また定期的に無料の説明会も開催していますので、こちらもご参加頂ければと思います。