ニュース
ドローン事業部

お仕事

2018.12.05

2020.05.21

仕事でドローンを使いたい!操縦レベルはどの程度必要?

仕事でドローンを使いたい!操縦レベルはどの程度必要?

 

現在、点検・調査をはじめ、測量や農業など様々な業界でドローンが活用されてきています。

「そろそろ私たちの会社でも導入してみようか」そう考える企業も増えてきているようです。

 

その中でまず初めに疑問になるのが「どの程度の操縦レベルが要るか」ということです。

 

そこで今回は、これからお仕事でドローンを使いたい人にとって、業務上必要とされる操縦レベルの目安についてご紹介したいと思います。

 

 

お仕事で必要なドローンの操縦レベルとは?

 

利用する業界によって、求められるレベルが異なるのは当然ですが、ある一定の基準というものは存在します。

 

ドローンを空中に飛ばし、思い通りに移動できればいい、と言えば簡単なのですが、実際の操縦になるとそう単純ではありません。

 

そこで、操縦レベルの基準として参考にできるのが「飛行申請」を行う際の基準です。

 

「飛行申請」とは、改正航空法によって定められているドローンの国内ルール”外”で飛行させる場合に必要なもので、お仕事でドローンを飛行させる際、ほぼこの飛行申請が必要になります。

 

その際、この飛行申請には申請を行うにあたっての「飛行能力」が定められており、この基準を満たしていない場合は、審査に受かることはありません

 

ということは、この飛行申請に定められた「飛行能力」が、業務に求められる最低限の操縦レベルであるということになります。

 

 

〜Check Point〜 改正航空法とは?

 

改正航空法は2015年12月10日より施行され、ドローンにおける基本的なルールを定めている法律です。

主なルールは2つあり、ドローンにおける「①飛行禁止空域」「②飛行の方法」というものを決めています。

 

以下がその内容です。

 

「①飛行禁止空域」

 

(A)・・・空港等の離発着周辺のルートは、航空機の安全に関わるため規制がされており飛行できません。

(B)・・・地表又は水面から150m以上の高さの空域は飛行できません。

(C)・・・国勢調査の結果による人口集中地区(DID)の上空は飛行できません。(国勢調査は5年毎に更新されます)

 

 

「②飛行の方法」

 

 

飛行させる場所に関わらず、ドローン(無人航空機)を飛行させる場合には、以下の方法を遵守する必要があります。

 

日中(日出から日没まで)に飛行させること

目視(直接肉眼による)範囲内で無人航空機とその周囲を常時監視して飛行させること

・第三者又は第三者の建物、第三者の車両などの物件との間に距離(30m)を保って飛行させること

・祭礼、縁日など多数の人が集まる催し場所の上空で飛行させないこと

 (※イベント上空の飛行にはさらに厳格な規制が追加されています。詳しくはこちらをご参考ください)

・爆発物など危険物を輸送しないこと

・無人航空機から物を投下しないこと

 

もし業務で使用するなどで、上記のパターンに該当した状況の中で飛行が必要な場合、事前に地方航空局に申請を行い、許可や承認を受ける必要があります。

 

また、150m以上の高さ、空港周辺などの飛行の場合は、地方航空局ではなく、飛行させるルートを管轄する空港事務所に許可を受ける必要があります。

 

航空法を違反した場合、五十万円以下の罰金に処するとされています。

 

尚、ドローンの規制や航空法の詳細については、こちらでも解説していますので、参考にしてみてください。

 

この改正航空法によって決められた「飛行禁止場所」以外で飛ばすことと、決められた「飛行方法」を守って飛行させることが前提となります。

 

しかし、業務でドローンを飛行させる場合、これらのルールを守って飛行させることはかなり困難になります。

 

特に飛行禁止場所である「人口集中地区(DID)」と決められた飛行方法である「目視範囲内」「物件との距離30m以上」だと、ほとんどの場所で飛行させることができません。

 

そこで、業務上、これらのルールの中で飛行させる場合に必要なのが「飛行申請」となります。

 

 

飛行申請時に求められるドローンの操縦レベル

 

では、実際にこの飛行申請を行う際にどの程度のドローンの操縦レベルが求められるのでしょうか。

以下は、飛行申請時の「飛行能力」が定められた内容の抜粋になります。

 

■飛行経歴

無人航空機の種類別に、10 時間以上の飛行経歴を有すること。

 

■知 識

航空法関係法令に関する知識を有すること。

安全飛行に関する知識を有すること。

 ・飛行ルール(飛行の禁止空域、飛行の方法)

 ・気象に関する知識

 ・無人航空機の安全機能(フェールセーフ機能 等)

 ・取扱説明書に記載された日常点検項目

 ・自動操縦システムを装備している場合には、当該システムの構造

及び取扱説明書に記載された日常点検項目

 ・無人航空機を飛行させる際の安全を確保するために必要な体制

 ・飛行形態に応じた追加基準

 

■能力

 

<一般>

飛行前に、次に掲げる確認が行えること。

 ・周囲の安全確認(第三者の立入の有無、風速・風向等の気象 等)

 ・燃料又はバッテリーの残量確認

 ・通信系統及び推進系統の作動確認

 

<遠隔操作の機体>

GPS 等の機能を利用せず、安定した離陸及び着陸ができること。

GPS 等の機能を利用せず、安定した飛行ができること。

 ・上昇

 ・一定位置、高度を維持したホバリング(回転翼機)

 ・ホバリング状態から機首の方向を 90°回転(回転翼機)

 ・前後移動

 ・水平方向の飛行(左右移動又は左右旋回)

 ・下降

 

<自動操縦の機体>

自動操縦システムにおいて、適切に飛行経路を設定できること。

飛行中に不具合が発生した際に、無人航空機を安全に着陸させられるよう、適切に操作介入ができること。

 

※参照:無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領

(様式3)無人航空機を飛行させる者に関する飛行経歴・知識・能力確認書

 

 

ここで注目すべき点は「■能力」の<遠隔操作の機体>の項目です。

そこにはこのように記載されています。

 

<遠隔操作の機体>

GPS 等の機能を利用せず、安定した離陸及び着陸ができること。

GPS 等の機能を利用せず、安定した飛行ができること。

 ・上昇

 ・一定位置、高度を維持したホバリング(回転翼機)

 ・ホバリング状態から機首の方向を 90°回転(回転翼機)

 ・前後移動

 ・水平方向の飛行(左右移動又は左右旋回)

 ・下降

 

つまり、飛行申請をクリアするための操縦レベルとしては、GPS等の安定装置を外した上で、ドローンの離陸着陸と、ホバリングやドローンの向きを回転させた上での前後水平移動ができなければならない、ということになります。

 

ちなみに、現在市販で発売されているドローンにはほぼデフォルトの状態では「GPSがオン」になっていますので、これらの設定の上での操縦は、飛行申請上では基準に満たしていない、ということになります。(ビジョンポジショニングなどの機能もなしが望ましい)

 

その上で、改めて、上記の操縦レベルを見てみると、「比較的熟練した操縦スキルが必要である」ということがお分かり頂けるかと思います。

 

 

飛行申請時の操縦レベルまで上達するには?

 

これらの操縦レベルを踏まえて、どのように上達するか、ですが、まず練習用ドローンを検討する必要があります。

 

前述のように、DJIドローンのSparkMavicシリーズではそもそもGPSをオフにすることができません

 

その他多くのドローンでも高度なセンサーを搭載したドローンが数多く存在しているため、飛行がかなり安定しており、操縦スキルを伸ばすという意味では、相性が悪くなっています。

 

そのため、ドローンで操縦スキルを磨きたい場合は、「GPSが切れる機体」を選ぶようにしましょう。

 

Spark、MavicシリーズなどはGPSのオンオフ機能がないため、練習ができません。

一方、Phantom4シリーズ(Phantom3なども含む)などでは、GPSのオフができるため、練習が可能です。

 

DJIドローンにこだわらないのであれば、やはりトイドローンがオススメになります。

GPSなしのトイドローンだと、DJIの「Tello」が最もオススメです。

 

練習方法ですが、GPSオフのまま、離陸、着陸、ホバリング(空中で静止)、機体を90度回転してホバリング、前後左右の移動、さらに90度回転してホバリング、前後左右の移動、さらに90度回転して・・・を繰り返します。

 

これをブレずに行えるようになれば、飛行申請で求められる操縦レベルに達した、と言えるでしょう。

 

 

飛行申請の操縦レベルの注意点

 

ただし、これはあくまでも「申請時における技術の最低ライン」であることに注意してください。

 

ドローンを飛行させる環境は屋外になるため、様々な環境の元で飛行させる必要があります。

 

飛行申請時には「能力」以外にも「操縦経験10時間以上」「安全に飛行させるための知識」も求められており、操縦レベルに関しては、これらのハードルを超えた上で、より安定した操縦ができるよう、操縦者は常に操縦スキルを磨く必要があるということを覚えておく必要があります。

 

 

いかがでしたでしょうか。お仕事で求められるドローンの操縦レベルについてご紹介してきました。

 

もちろんドローンを利用する業界によって、求められる操縦レベルは異なるかと思いますが、この基準は飛行申請における一般的な基準として参考になるかと思います。

 

ぜひこれからドローンを使ってみようと思う方は、今回ご紹介した操縦レベルをまずはクリアできるよう練習してみてくださいね。

 

それでは、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

P.S.

業務で求められる操縦レベルは、より安全性の高い操縦技術が求められます。

ただし、いきなり初めからその基準に到達するにはかなりの時間がかかるものです。

その点、現場の第一線で活躍するプロと一緒になって練習ができれば、練習方法を間違えることなく、その人に合った方法で操縦技術を磨くことができます。

当校では定期的にドローンの講習のための無料体験会を開催していますので、ぜひ興味がありましたら、一度お立ち寄りください。

 

▶︎無料体験会はこちら

 

関連記事

未来の社会を支える
エンジニア集団として

ATCLの事業は、専門的な技術力を活かし、
これからの社会に対して貢献していきます。
現代社会のエネルギーの供給を支えるだけでなく、
再生可能エネルギーやドローンといった
新時代のインフラを機能させる技術を早期に実用化しています。
明るい未来社会をテクノロジーで支える
エンジニア集団であること
が、
私たちの使命です。

会社概要を見る