
ドローンを飛ばしたい!と思っても、色々細かくあるのがドローンの規制。
いざ自分で調べようと思っても、結構大変ですよね・・・
ということで今回は、現在までのドローンの規制やルール、許可が必要な空域などについて、総集編としてまとめてみました!
やはりドローンを飛ばす者としては、安全上、ある程度のドローンの規制について、知っておく必要はあります。
いざ知らずに飛行させて捕まってしまった・・・とならないように、これからドローンを飛ばそうと思う方は、ぜひ一度チェックしてみてくださいね。
・ドローンの規制に関する全体像
まずはじめに、現在のドローンの規制について、その全体像を理解しておきましょう。
ドローンを飛行させる際、必ず「航空法」などの法律の名前を聞くと思いますが、それはあくまでもドローンの規制に関するルールの一つです。
そのため、まずはドローンに関係しそうな規制の全体像を理解していることが、何より大切です。
以下、ドローンの規制に関係する法律です。
ドローンの規制その1:航空法
ドローンの規制その2:小型無人機等の飛行禁止法
ドローンの規制その3:電波法
ドローンの規制その4:都道府県、市町村などの条例
ドローンの規制その5:プライバシー・肖像権や個人情報保護法
ドローンの規制その6:私有地(民法)
ドローンの規制その7:道路交通法
ドローンの規制その8:河川法・海岸法
ドローンの規制その9:港則法・海上交通安全法
ドローンの規制その10:都市公園法・自然公園法
ドローンの規制その11:その他
はい、何だか、規制の数が多すぎてビックリしてしまいますね・・・
でも内容自体は航空法以外、そこまで複雑ではありませんので、一通り、目を通すようにしてください。
それでは、早速、順番に内容を見ていくようにしましょう!
ドローンの規制その1:航空法
まず、ドローンのことがしっかりと明記された、言わば「空のルール」と言われているのがこの「航空法」です。
国土交通省が管轄しており、航空法改正のもと、2015年12月10日より施行されました。
その後も内容は度々追加されています。
まず、基本的なルールは、2つあり、「①飛行禁止空域」と「②飛行の方法」というものです。
「①飛行禁止空域」以外の場所で操縦することと、かつその際に「②飛行の方法」を守ることが決められています。
「①飛行禁止空域」
(A)・・・空港等の離発着周辺のルートは、航空機の安全に関わるため規制がされており飛行できません。
東京・成田・中部・関西国際空港及び政令で定める空港においては概ね24km以内で、それ以外の空港においても概ね6km以内の範囲で設定されており、詳細は、空港ごとに確認が必要です。(参照:「空港等設置管理者及び空域を管轄する機関の連絡先について」)
(B)・・・地表又は水面から150m以上の高さの空域は飛行できません。
(C)・・・国勢調査の結果による人口集中地区(DID)の上空は飛行できません。(国勢調査は5年毎に更新されます)
「②飛行の方法」

飛行させる場所に関わらず、ドローン(無人航空機)を飛行させる場合には、以下の方法を遵守する必要があります。
・日中(日出から日没まで)に飛行させること
・目視(直接肉眼による)範囲内で無人航空機とその周囲を常時監視して飛行させること
・第三者又は第三者の建物、第三者の車両などの物件との間に距離(30m)を保って飛行させること
・祭礼、縁日など多数の人が集まる催し場所の上空で飛行させないこと
(※イベント上空の飛行にはさらに厳格な規制が追加されています。詳しくはこちらをご参考ください)
・爆発物など危険物を輸送しないこと
・無人航空機から物を投下しないこと
もし業務で使用するなどで、上記のパターンに該当した状況の中で飛行が必要な場合、事前に地方航空局に申請を行い、許可や承認を受ける必要があります。
また、150m以上の高さ、空港周辺などの飛行の場合は、地方航空局ではなく、飛行させるルートを管轄する空港事務所に許可を受ける必要があります。
・航空法を違反するとどうなる?
航空法を違反した場合、五十万円以下の罰金に処するとされています。
実際に、無許可の状態でドローンを飛行させ、逮捕された事例も発生しています。
逮捕・罰金後は業務であれば社会的信頼を落としてしまう結果にもなりますので、しっかりと事前に申請を行い、許可を受けておくことが大切です。
・ドローンの飛行制限エリアを確認する方法
「①飛行禁止空域」における「空港周辺」「人口集中地区(DID)」などに該当するかどうかは、国土地理院が提供する地図から確認することができます。
その他、DJI社なども飛行エリアの確認サービスを用意していますので、これらを参考に、ドローン飛行前に、事前にチェックするようにしましょう。
・航空法の適用外について
ドローンの厳密なルールを定めている航空法ですが、以下3つの場合においては、航空法が適用外となります。
1.200g未満のドローン
200g未満のトイドローンなどは、その飛行性能などから、墜落事故の被害が限定的であるため、航空法対象である「無人航空機」から除外されています。
そのため、航空法においても適用されず、飛行場所や飛行方法について制限を受けずに飛行することができます。
2.屋内の飛行
屋内の飛行は、第三者への被害や屋外への飛び出しがないことから、航空法の適用外となります。
また、たとえ「屋外」であっても、ネットで四方を取り囲み、ドローンが外に飛び出さない環境であれば「屋内」とみなされ、航空法の適用外となります。
3.捜索・救助のための特例
発生した事故や災害などの緊急を要する場合、捜索・救助活動におけるドローンの利用においては航空法の制限は受けません。
対象者は、国、地方公共団体、又はこれらから依頼を受けた者に限定されます。
・・・以上が、まず基本中の基本となる”空のルール”「航空法」の解説です。
ここまででも覚えることは多くて大変ですが、ドローンを飛行させる者にとってこれは「知ってて当たり前」のことでもありますので、事前にしっかりと覚えるようにしてくださいね。
では続いて、残りのドローンの規制に関しても解説していきたいと思います。
ここからは、そこまで内容も複雑ではありませんので、テンポよく見ていくようにしましょう。
ドローンの規制その2:小型無人機等の飛行禁止法
ドローンのことが明確に記載されている法律には「航空法」以外にも「小型無人機等の飛行禁止法」というものがあります。
これは2016年4月7日に施行された比較的最近の法律で、国が定める重要施設付近でのドローン全般の飛行を禁止するものとなっています。
具体的には「国会議事堂」や「内閣総理大臣官邸」「外国公館」「原子力事業所」の周辺地域は飛行禁止空域に定められています。
なお、本法律においては、ドローンの重量は関係なく適用となりますのでご注意ください。
ドローンの規制その3:電波法
ドローンと送信機から発信される電波は、あらかじめ「電波法」によって総務省より周波数帯が割り当てられています。
そのため、事前に規定された周波数帯以外の電波を発信するドローンや送信機を使用した場合、電波法違反となります。
日本でドローンを飛ばす場合に「2.4GHz帯」の電波であれば問題ありませんが、海外で利用されている「5.8GHz帯」の電波を日本で使用すると違法になります。
また技適マークがないものを使用してはならない、などのルールもありますので、詳細はこちらも参考にしてみてください。
・「技適マークがないと法律違反!?知っておきたいドローンの電波法について」
ドローンの規制その4:都道府県、市町村などの条例
国が定めた「航空法」や「小型無人機等の飛行禁止法」など以外にも、都道府県や自治体によってドローンの飛行を禁止している場合があります。
例えば、東京都では200g未満のドローンも対象に、都立公園での飛行を全面禁止にしています。
また、その中でも東京都・足立区では、区の体育館など11カ所での飛行に関しても、独自のガイドラインを設置しており、操縦者は国土交通省が公認する講習団体からの技能証明などが必要としていたりします。
このように、各都道府県や自治体によって、管理する施設での利用について、条例を設けている場合がありますので、それぞれの窓口に確認を行うようにしましょう。
総務省も、一部ではありますが、各自治体が発表している条例などを発表していますので、これらも参考にするようにしてください。
ドローンの規制その5:プライバシー・肖像権や個人情報保護法
規制に関する話で、ドローンに関わる法律としては、プライバシーの権利や肖像権、個人情報保護法なども存在します。
ドローンで撮影した写真や映像をインターネット上にアップロードすることで、関係のない第三者が映っていた場合、プライバシー侵害・肖像権侵害を生ずる恐れがあります。
そこで総務省では、これらのプライバシーや肖像権などの考え方を整理し、まとめた「ガイドライン」というものを公表しています。
ドローンによる空撮は、意図せずとも撮影を行ってしまう可能性も高いため、操縦者は常に注意が必要となります。
一度どのようなケースが問題になりやすいのか、など参考にしておくとよいでしょう。
・「ドローン」による撮影映像等のインターネット上での取扱いに係るガイドライン
ドローンの規制その6:私有地(民法)
民法では、土地の所有権は、その土地の地下と上空にまで及ぶとされています。
そのため、私有地を勝手にドローンで飛行、撮影することはできません。
ただしこの私有地での飛行では、民法上で直接的にドローンの飛行を規制しているわけではなく、あくまでも土地所有者との直接的なやりとりであるという点が特徴です。
そのため、土地に侵入したため何らかの違反になるということではなく、土地所有者からドローン侵入に関する損害賠償請求を受ける可能性があるということになります。
いずれにせよ、他人の土地の上空でドローンを飛行させる場合には、土地所有者の同意又は承諾を受けるようにしましょう。
ドローンの規制その7:道路交通法
道路の利用にあたっては「道路交通法」という法律があり、「交通の妨げになることは違反」としています。
そのため、車の通行はもちろん、歩行者などがいる道路において、ドローンの離発着、ドローンの飛行などで交通の円滑を阻害する恐れがある場合、または、人が集まることで、一般交通に著しい影響を及ぼす場合には、道路使用許可が必要となります。
ただし、ただ単純にドローンを道路上空から飛行させて撮影を行うだけであれば、道路使用許可は必要ないことになっています。
・「(警察庁)国家戦略特区等提案検討要請回答【提案管理番号:062040】」
ドローンの規制その8:河川法・海岸法
河川・海岸の利用は、ともに「河川法」「海岸法」の元、公共物として自由使用が原則となっています。
そのため、河川、海岸でのドローンの飛行は、一般的に禁止とはなっていません。
しかし、河川、海岸の該当する管理者においては、管理行為としてドローン飛行の自粛を求めることが可能となっていますので、利用するエリアの管理者に確認するよう心がける必要があります。
一例として、大阪を縦断する淀川の河川では、ドローンの飛行を管理上の観点から禁止としています。
淀川河川事務所の管理する河川(民有地、自治体等管理の河川公園等を除く。)及び国営淀川河川公園においては、ドローン、ラジコン飛行機等の無人航空機の飛行は、航空法による許可または承認の有無にかかわらず、危険・迷惑行為として原則禁止です。
ドローンの規制その9:港則法・海上交通安全法
「港則法」「海上交通安全法」はともに、海での船の安全交通を目的とした「海上版道路交通法」とも言えます。
そのため、道路利用時と同様、通常の飛行だけでは問題ありませんが、ドローン飛行によって船舶交通の安全に支障を及ぼすおそれがある場合には許可が必要となります。
その他、ドローンを使った海上でのイベント時などにも許可が必要となります。
ドローンの規制その10:都市公園法・自然公園法
都市公園においては、管理者の管理行為によってドローンの飛行が規制されているところがほとんどです。
基本的には「公園内持込禁止品」として掲示されていると思いますので、注意するようにしましょう。
また、自然保護を目的とした自然公園にはおいては、ドローンの飛行を明確に禁止しているわけではありません。
しかし、立入禁止区域への立入や迷惑行為は規制されていますので、各自然公園ごとで確認が必要です。
ドローンの規制その11:その他
その他、場所によって、ドローン飛行の自粛のお願いが掲示されている場合があります。
防衛省、警察庁、国土交通省、外務省では連名で、「お知らせとお願い」として、米軍施設の上空やその周辺において、ヘリやドローンの飛行は重大事故につながる恐れがあるため、飛行させないように呼びかけています。
また、「航空機の安全な航行を妨害したとき等には、法令違反に当たる場合があります。」としており、事前に飛行予定の地図で、該当するエリアはないか確認するようにしましょう。
・米軍施設周辺でのヘリ・ドローンの飛行について(ビラ・ポスター)
・・・いかがでしたでしょうか。一通り目を通すだけでもかなり大変だったと思います。
しかし、ドローンの飛行に関しては、それだけ安全配慮が必要だということですね。
もし今後、ドローンによる事故が多発すれば、さらに規制が増え、ますますドローンを飛行させることが難しくなってしまいます。
ドローンの発展は、やはりドローン操縦者の腕にかかっている、とも言えますので、今回解説したドローンの規制についても、ぜひしっかりと確認するようにしてみてくださいね。
それでは、ありがとうございました。
P.S.
飛行の許可をもらう際には、国交省の認定資格などがあると、申請先の信用度もかなり違ってきます。
もしこれからドローンの飛行をお考えの際には、資格を一枚持っておくと、何かと便利ですよ。
オススメはこちらです。
P.S.2
ドローン規制のより詳細な話は「無料説明会」でも聞くことができます。
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