ニュース
ドローン事業部

お役立ち情報

2024.04.09

2024.07.19

ドローンの点検整備記録とは?飛行日誌が義務化された背景や目的、記載内容を解説

ドローンの点検整備記録とは?飛行日誌が義務化された背景や目的、記載内容を解説

ドローンを飛ばす人には、機体や飛行内容に関する情報を記録する義務があります。ドローンの点検整備記録は定期的にドローンの点検を実施した結果や、整備・改造した内容の記録について記載するものであり、飛行日誌のひとつです。この記事では、ドローンの点検整備記録の書き方や記載すべき内容に加え、飛行日誌に含まれる飛行記録や日常点検記録についてもくわしく解説します。

 

 

ドローンの飛行日誌とは

そもそもドローンの飛行日誌とは、どのようなものでしょうか。まずは飛行日誌について概要と種類を確認しておきましょう。

 

飛行日誌の概要

飛行日誌は「無人航空機」を飛行させる人が、飛行内容や機体の整備・改造などの情報を記録するものです。ドローンも無人航空機の1つであるため、飛行させる人は飛行日誌を作成しなければなりません。

 

飛行日誌は飛行記録と日常点検記録、点検整備記録の3種類で構成され、それぞれ記載すべき事項を含んでいる必要があります。紙または電子データのどちらでも保存が可能です。ただし、紙に書く場合は、青または黒のボールペンを使用して記載します。

 

飛行日誌の種類は飛行記録・日常点検記録・点検整備記録の3つからなる

先述したように飛行日誌の種類は飛行記録・日常点検記録・点検整備記録からなり、ドローンを飛行させるにあたって管理しておかなければならない内容を含んでいます。それぞれの詳細については、以下で解説します。

 

ドローンの飛行日誌の書き方

ドローンの飛行日誌に関しては、国土交通省が「無人航空機の飛行日誌の取扱要領」を発表しています。航空法の規定により、具体的な記載事項や記載方法が定められているため、国土交通省航空局が提示する様式に則っている必要があります。

 

決められた内容以外でも、必要事項は適宜追加が可能です。ドローンの飛行では1つの操縦装置で複数の機体を操縦するケースのほか、複数の操縦装置を使って複数の機体を操縦するケースもあります。飛行日誌では、機体ごとに日誌の記載が必要です。

 

ドローンの飛行日誌が義務化された背景

ドローンの飛行日誌義務化の背景として、無人航空機の機体登録が義務化されたことが挙げられます。ここでは、飛行日誌が義務化された目的についても合わせて解説します。

 

「無人航空機の機体登録制度」が義務化

2022年6月20日から無人航空機の登録が義務化され、100g以上の無人航空機は航空法の規制対象となっています。2022年12月5日には改正航空法が施行され、ドローンを特定飛行させる場合には飛行日誌の記載が義務化されました。改正航空法では飛行日誌の作成はもちろん、携行と保管も義務付けられ、特定飛行以外の飛行も記載が推奨されています。

 

飛行日誌が義務化された目的

飛行日誌の作成・携行・保管が義務化された目的の1つは、ドローンの飛行に万一トラブルが起きた場合、すぐに整備や点検の状況を確認し、原因の特定や要因の分析などに活用するためです。トラブルの原因や要因が特定できれば、再発防止にも役立ちます。もう1つ、ドローンを飛行させるにあたり、安全を守る目的もあります。

 

飛行日誌を記載していない場合の罰則

ドローンを「特定飛行」させる際、飛行日誌を遅滞なく作成し、携行および保管することが義務付けられています。もし、飛行日誌を備えていなかったり、虚偽の記載をしたりするなど、不備が認められた場合は航空法違反になります。違反すれば航空法第157条の11に従って、10万円以下の罰金が科せられるため注意が必要です。

 

特定飛行とは

特定飛行とは、国土交通大臣の許可または承認が必要な空域・飛行方法での飛行です。特定飛行にあたる飛行空域や飛行方法については、以下のようなケースが挙げられます。

飛行空域

・空港等の周辺

・150m以上の高さの上空

・人口集中地区の上空

・緊急用務空域

 

飛行方法

・夜間の飛行

・目視外での飛行

・人または物件との距離を確保できない30m未満での飛行

・催し場所の上空での飛行

・危険物の輸送

・物件の投下

なお、緊急用務空域は災害などの発生時にヘリコプターの飛行を妨げないよう、原則ドローンの飛行が禁止されている区域です。

 

ドローンの飛行記録の書き方と記載項目

ここからは具体的な飛行日誌の書き方を解説します。まずは、飛行記録の詳細と記載する内容を確認しましょう。

 

飛行記録とは

飛行記録とは、ドローンを飛行した時間や場所をまとめて記録するものです。記載は1飛行ごとに行う必要があります。1飛行の定義はドローンの電源を入れて作動させ、出発地から離陸して目的地に到着し、電源を停止させるまでを指します。

 

目的地に到着後、電源を作動させたまま、さらに別の地点まで継続的に飛行する場合は、最終目的地に到着して電源を停止させるまでが1飛行です。目的地に到着して、荷物の積み卸しやバッテリー交換のために一度電源を停止させた場合、再度の飛行は2飛行目となります。

 

ドローンの飛行記録の冒頭に記載する項目

・無人航空機の登録記号

・無人航空機の種類および形式

・無人航空機の型式認証書番号

・機体認証の区分および機体認証書番号

・無人航空機の設計製造者および製造番号

登録記号を受けていない場合は当該試験飛行にかかる届出番号です。種類および型式、型式認証書番号、機体認証の区分および機体認証書番号は、認証を受けたものに限ります。

 

各ページに記載する事項

・飛行年月日

・操縦者の氏名および無人航空機操縦者技能証明書番号

・飛行の目的および経路

・飛行させた飛行禁止空域および飛行の方法

・離陸場所および離陸時刻

・着陸場所および着陸時刻

・飛行時間

・製造後の総飛行時間

・飛行の安全に影響のあった事項の有無およびその内容

・不具合およびその対応に関する次の記録

・不具合の発生年月日およびその内容

・対応した年月日およびその内容並びに確認した者の氏名

操縦者の氏名および無人航空機操縦者技能証明書番号については、無人航空機操縦者技能証明書の交付を受けている場合に限り記載が必要です。

 

ドローンの日常点検記録の書き方と記載項目

ドローンを飛行させる際は、飛行記録だけでなく日常点検記録も作成しなければなりません。次に日常点検記録について解説します。

 

日常点検記録とは

日常点検記録は、文字通り日常点検にかかる結果について記載をするものです。機器の取り付け状態などの機体全般に関する内容から、プロペラやフレーム、通信系統、バッテリーや燃料に至るまで、ドローンを飛行させる1飛行ごとに日常点検記録を記載する必要があります。「飛行の前と後」にそれぞれ点検し、記録することが義務付けられています。

 

日常点検記録で冒頭に記載する項目

・無人航空機の登録記号

・種類および型式

・無人航空機の型式認証書番号

・機体認証の区分および機体認証書番号

・無人航空機の設計製造者および製造番号

登録記号を受けていない場合は当該試験飛行にかかる届出番号です。種類および型式、型式認証書番号、機体認証の区分および機体認証書番号は、認証を受けたドローンに限ります。

 

各ページに記載する項目

・実施の年月日および場所

・実施者の氏名

・点検項目ごとの日常点検の結果

・その他特記事項

機体認証を受けているかどうかにより点検の項目は違ってきますが、飛行マニュアルに沿って日常点検を行い、結果を記載するのが基本です。ドローンの設計や製造を行ったメーカーが様式を指定している場合は、それを使用してかまいません。

 

ドローンの点検整備記録の書き方と記載内容

日常点検記録とは別に、点検整備記録も作成しておく必要があります。概要と記載する内容を確認しておきましょう。

 

点検整備記録とは

点検整備記録はドローンを定期的に点検し、その結果や整備・改造の内容を記録しておくものです。メーカー側が推奨点検時間を定めている場合は、それにしたがって点検するようにしましょう。

 

時間について特に記載がない場合は、20時間の飛行ごとに点検と整備を行い、結果を記録します。なお、前回の点検整備と区別できるように上下は各1行空け、空行には「〆」を記載しておいてください。

 

点検整備記録で冒頭にまとめて記載する項目

・無人航空機の登録記号

・種類および型式

・無人航空機の型式認証書番号

・機体認証の区分および機体認証書番号

・無人航空機の設計製造者および製造番号

点検整備記録でも、冒頭には飛行記録や日常点検記録と同様に、まずは以上の項目を記載する必要があります。登録記号を受けていない場合は届出番号、種類および型式や認証書番号は、認証を受けたドローンに限ります。

 

各ページで記載する項目

・実施の年月日および場所

・実施者の氏名 

・点検、修理、改造および整備の内容

・実施の理由

・最近の機体認証後の総飛行時間

・その他特記事項

実施の年月日は西暦で記入します。修理や改造、整備で部品を交換した場合は交換した部品名や部位の記録、空撮用カメラや薬剤散布装置などの取り付けや取り外しをした場合は、その記録も記載してください。

 

まとめ

ドローンが普及するにつれて法整備が整えられ、飛行日誌の作成・携行・保管が義務付けられました。2022年12月以降、ドローンを飛行させるためにはこれらを守って運用を行う必要があるため、しっかり体制を整えましょう。

 

株式会社旭テクノロジー(ATCL)は、ドローンの免許が取得できる国土交通省登録講習機関として、7年で2000人以上の卒業生を輩出しています。ブランド事業や再生可能エネルギー事業などの自社事業にドローンを導入・活用してきた実績から、導入支援も可能です。ドローンの免許取得や事業への導入を検討しているのなら、株式会社旭テクノロジー(ATCL)にお任せください。

 

未来の社会を支える
エンジニア集団として

ATCLの事業は、専門的な技術力を活かし、
これからの社会に対して貢献していきます。
現代社会のエネルギーの供給を支えるだけでなく、
再生可能エネルギーやドローンといった
新時代のインフラを機能させる技術を早期に実用化しています。
明るい未来社会をテクノロジーで支える
エンジニア集団であること
が、
私たちの使命です。

会社概要を見る