この記事では、「ドローンによる外壁点検のメリットとデメリット」について詳しく解説します。外壁点検は、建物の安全性を確保するために欠かせない作業ですが、従来の方法では多くの時間や労力が必要でした。近年では、ドローンを利用した点検方法が注目を集めており、従来の点検方法と比べて多くの利点があります。しかし、デメリットも存在するため、その両方を理解した上で、どの方法が最適かを検討する必要があります。
目次
なぜドローンで外壁点検をする業者が増えているのか
近年、ドローンを使った外壁点検を導入する業者が増えているのは、従来の方法では対応が難しかった部分を効率よくカバーできるからです。従来の外壁点検では、足場や高所作業車を活用し、作業員がハンマーで叩いて劣化状態を確認する「打診調査」が主流でした。これらの方法は確かに有効ですが、時間がかかるうえに、足場を組まないと確認できない場所が多く、効率が悪いという課題がありました。
一方、ドローンを使用すると、足場を組む必要がなく、建物全体を短時間でチェックできるため、作業効率が飛躍的に向上します。特に、赤外線カメラを搭載したドローンを使用すれば、高所や狭い場所でも劣化具合を詳細に確認することが可能です。また、ドローンの飛行に必要な準備も最小限で済むため、事前の準備にかかる手間が大幅に削減されます。
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ドローンによる点検のメリットとその詳細
ドローンを使った外壁点検のメリットは多数あります。
1. 正確な見積もりが可能
従来の目視点検では、高所など手が届かない部分の劣化を見逃すことがありました。しかし、ドローンを使用すれば、あらゆる角度から詳細に外壁を確認できるため、修理が必要な部分を正確に特定できます。これにより、正確な修理見積もりを出すことが可能になり、施主側も予算計画が立てやすくなります。
2. 作業の迅速化と安全性の向上
ドローンを使うことで、高所に足場を組んだり、作業員が高所に登ったりする必要がなくなります。これにより、作業の安全性が格段に向上します。また、ドローンを使用することで、従来数日かかっていた作業が数時間で完了することもあり、時間的なコストも削減されます。
3. 点検データの保存が容易
ドローンで撮影した映像や画像はデータとして保存できるため、後から見直すことができます。これにより、施主に対して修理の必要性を説明しやすくなるだけでなく、施工前後の状態を比較することで、工事の効果を明確に示すことができます。
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ドローンによる点検のデメリットとその詳細
一方で、ドローン点検にもいくつかのデメリットがあります。
1. 打診調査ができない
ドローンは、カメラを通じて外壁の状態を確認することはできますが、従来の打診調査のように、外壁を物理的に叩いて劣化具合を確認することはできません。そのため、外観からは判断できないような深刻な劣化が隠れている場合、後から発見される可能性があります。
2. 飛行禁止エリアでの使用制限
ドローンは、法律で定められた特定のエリアでは飛行が禁止されており、そういったエリアに建物がある場合、ドローン点検はできません。例えば、人口が集中している都市部や空港周辺などが該当します。
3. 天候による影響
強風や雨天時には、ドローンの飛行が不安定になったり、赤外線カメラが正常に機能しなかったりするため、点検が難しくなる場合があります。特に、風速が5メートルを超えると飛行が危険になるため、天候条件が点検に大きく影響することは覚えておく必要があります。
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外壁点検の実施方法と概要
ドローンを使った外壁点検には、いくつかの機材が必要です。基本的な機材としては、ドローン本体、バッテリー、赤外線カメラ、タブレット端末、安全ポール、ヘルメットなどが挙げられます。また、現場での飛行計画を事前に立て、飛行エリアの安全を確保するための準備も重要です。例えば、ドローンの離着陸エリアを確保し、周囲にポールを立てて安全を確保するなどの対策が必要です。
国交省への飛行申請が求められるケースとは?
航空法によって飛行をするにあたって許可が必要となる場所が決められています。
・地表面から150mを超える上空
・空港などの指定エリアの周辺
・人口集中エリア
こうしたエリアにかかる部分で点検をする場合、国交省に対して申請を実施日の2週間前までに行う必要があります。
そのため、十分前もって点検の予定を組んでおく必要がありますし、当日天候が悪いことも考えて、予備日を決めておくということも重要です。
そもそも法律に則ってドローンを飛行させるには?という方はこちらの記事をご覧ください。
点検をする場所と天気についての注意点
上記のように、国交省に申請をしないと飛ばせない地域がありますし、重要施設の近くなど、そもそも飛行が禁止されているエリアもあります。
業者の方でも事前に該当する地域でないか確認しますが、施主様にも確認を取っておいた方が安全です。
たとえ制限・禁止エリアでないとしても、建物にかかるように樹木が生えていたり、電線が複雑に張り巡らされていたりするところだと、落下のリスクがありますので注意が必要です。
天気についての注意点としては、風が強いと落下のリスクが高まりますし、画像がぶれて見づらくなるといった問題が生じます。
だいたい風速5mがその境目とされていて、これ以上強くなると中止されることが多いです。
また、外壁点検ならではの注意点として、雨が降っている、もしくは降った直後は実施できないという問題があります。
赤外線カメラを使って点検をするのですが、外壁が濡れた状態だと赤外線の探知ができなくなってしまうからです。
外壁点検に必要な機材と準備
基本的な機材としては、次のようなものがあります。
・ドローン本体
・バッテリー
・映像を見るタブレット端末
・ヘルメット
・安全ポール
・打診用のハンマー
機体を使って撮影をしてチェックしていきますが、手に届く範囲で明らかな劣化が見られる場合は、作業員がハンマーで打診して状態をチェックすることになります。
また、機体を離発着させる場所については、他の人が立ち入らないようにポールで囲って場所を取り分けておくことも重要です。
こうした機材の他に、飛行計画書も手元に置いておくと、何かの際に役立ちます。
事前に建物の周りを回って目視し、飛行に当たっての危険個所や避けるべき点をチェックしておくといった準備をします。
また、下からでも見える劣化場所があるなら、そこをドローンで細かく見られるようにします。
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点検作業の開始
周囲の安全確保と準備ができたら、機体を飛ばして点検作業を開始します。
通常は1面ずつチェックをしていきますので、北面からなど順番を決めて撮影をしていきます。
外壁には電話線などのケーブルが出ているところがあり、陰になると機体から送られてくる映像からでは見づらいこともあります。
線に触れないように注意しながら飛ばします。
外壁の浮きやはがれなどがないか、不自然な凹凸に目を凝らしながら進めていきます。
もし、劣化と見られるところがあれば、近づくか角度を変えて詳細を把握できるようにします。
その部分にフォーカスできたら、多少静止して分析しやすいようにします。
こうして前面を撮影できたら、離発着スペースに機体を戻して終了です。
点検作業終了後にすること
点検が終わったら、速やかに機体などを片付けて安全確保をします。
その上で、施主様が一緒にいるなら、映像を見返すなどして状況の説明をします。
別途専門業者に映像を送って分析をしてもらう場合は、その流れを説明します。
劣化部分については、静止画を印刷して施主様に提示できるようにしておくと良いでしょう。
それに基づいて工事内容と見積もりを出します。
まとめ
ドローンを活用した外壁点検は、作業の効率化、安全性の向上、そして正確な点検データの提供といった多くのメリットをもたらします。特に、従来の方法では対応が難しかった高所や狭い場所でも効果的に点検ができるため、業者にとっても施主にとってもメリットが大きいです。しかし、打診調査ができない点や、天候に左右される点などのデメリットもあるため、これらを踏まえた上で導入を検討することが重要です。
ドローンの活用により、外壁点検はより簡単で正確な作業が可能となり、今後も多くの業者で導入が進むと期待されています。
このようにドローンを活用することで、人が行っていた作業の代替することが可能です。旭テクノロジーでは、プラント事業からスタートした長年の経験を活かし、ドローンを活用して構造物の点検を行っています。現場で課題を感じられている方はお気軽にご相談ください。