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2020.12.28

ドローンを使った新しいビジネス、害獣対策って一体どうやるの?

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ドローンを使った新しいビジネス、害獣対策って一体どうやるの?

スマート農業では、ドローンなどの先進技術を使うことによって、従事者の労働時間や負担を軽減しながら生産性や品質を向上させることができるということを、他の記事の中でも触れてきました。このように、ドローンを使うことで人々の労働環境や生活そのものを向上させることできるという大きなメリットがあります。このように多方面で活躍するドローンですが、今回も農業分野に関わるドローンの使い方について触れていきます。テーマは「害獣対策」です。ドローンを使って行う害獣対策とは、一体どのようなものなのでしょうか?詳しくご紹介していきます。

 

1.害獣対策の実態

1-1.そもそも害獣対策とは

1-2.これまでの害獣対策

1-3.害獣対策の課題

2.ドローンを使った害獣対策

2-1.ドローンを使った害獣対策とは

2-2.これからの害獣対策をドローンで

3.まとめ

 

1.害獣対策の実態

ドローンを使った害獣対策の話に入る前に、そもそも害獣対策とは一体何か、そしてこれまでの害獣対策とはどのようなものなのかについて触れておこうと思います。

 

1-1.そもそも害獣対策とは

さて、まずこの話題に入っていく前に、害獣対策とは何なのかということに触れておかなければなりません。害獣とは文字通り、害のある獣のことを指します。例えば、イノシシやカラスなど、農作物を狙って畑を荒らす獣たちのことを、害獣と呼びます。せっかく育てた作物を、害獣によってダメにされてしまうのは、生産者にとって大きなマイナスとなりますよね。作物を育てるためにかけた時間、費用、労働力が無駄になってしまうわけです。これまでも、生産者たちはこうした害獣たちに頭を悩ませてきました。農林水産省の調査によると、平成30年度の野生鳥獣による被害額は158億円だというデータが出ています。その内、109億円分がシカ、54億円分がイノシシとなっているため、シカとイノシシの生息数を半分程度に減らすために捕獲をしている状況です。ちなみにですが、捕獲したシカやイノシシは全て殺処分にするということではなく、ジビエ料理などで利用するのだそうです。人間の生産活動のためとはいえ、半分も捕獲するとなると生態系なども心配になるところですね。さて、ドローンを使って害獣対策ができるということですが、これまでは一体どのように対策を行ってきたのでしょうか?

 

1-2.これまでの害獣対策

これまでの害獣対策は罠や電気柵を設置することで害獣対策を行ってきました。もちろんこうした罠だけでは対処できないので、地域として害獣対策をするための組織を形成して駆除を行っているところも多いです。また、光や音を使って害獣を追い払ったり、忌避剤・忌避作物を使ったりすることで対策をしてきました。言うだけなら簡単ですが、これらを設置するためには費用がかかりますよね。自分たちでできればいいですが、専門の業者に委託するとなるとより費用もかさみます。さらに、害獣駆除を行うためのハンターを育てるには、時間もお金もかかります。一朝一夕ではできません。だからと言って、これらを放置してしまうと甚大な被害が出て、それこそ生活自体に大きな打撃を与えかねません。農作物の生産者としては、もっと農作物を育てることだけに集中できた方がいいのですが、残念ながらこうした問題を解決するために多くの時間を取られてしまうのが現状です。

 

1-3.害獣対策の課題

このように、国をあげてシカやイノシシの数を削減しようとする試みが行われるのには、害獣対策における課題が関係しています。実は、害獣対策でも少子高齢化の影響が出ているのです。まず、山村地域などは高齢化が進んでおり、古くは有効に活用されていたはずの耕作地がどんどん放置されるようになっています。管理する人が減ってしまっているのです。この耕作放棄地と呼ばれる畑に、害獣は集まってきてしまいます。これによって、近隣の耕作地にも影響を与えてしまうという悪循環なのです。さらに、こうした害獣被害が拡大していくことで、生産者たちの意欲が低下し、さらなる放棄地を生み出す一因になるとも考えられています。

それだけではなく、害獣駆除をするハンターの高齢化も進んでいて、駆除する側が減ってしまっているという課題もあります。このように、従来の方法では害獣対策そのものが立ち行かなくなっているのが現状なのです。

 

2.ドローンを使った害獣対策

ドローンを使った害獣対策とは、これまでの害獣対策とどのように違うのでしょうか?ドローンを使った害獣対策の内容と、これまでとの違いについて詳しく見ていきましょう。

 

2-1.ドローンを使った害獣対策とは

いよいよ本題に入っていきます。ドローンを使った害獣対策と聞いて、みなさんはどのようなものを想像しますか?ドローンを使って、直接的に害獣を駆除していくわけではないんです。どちらかというと、ドローンを使って害獣対策の補助をする形となります。

例えば、赤外線センサーを搭載したドローンによって、害獣の動きを把握することができるようになります。害獣対策において、害獣の動きをリサーチすることが基本中の基本となります。これまでは、固定カメラを置いて害獣の動きを監視したり、囲い罠にセンサーを取り付けたりすることで、害獣の動きを監視してきました。この仕事をドローンができるようになると、自動追跡システムによって害獣を追いかけて撮影することが可能となります。さらに、動画や写真の撮影だけではなく、これらのデータを使って生息域をマッピングしたり害獣の数を把握したりと、様々な情報を収集することができるようになります。

さらに、こうしたデータの収集のみならず、実際にドローンを使って害獣を追い払うことができるのではないかということも検討されています。既に、実証実験が行われており、シカ・サル・ヒヨドリ・カラスなどの害獣の追い払いに成功しています。今後もっと研究を進めていくことで、より効率的・効果的な追い払いが期待できるでしょう。

先ほどのデータと合わせて使うことで、より害獣対策は有効化されていきます。害獣が通りやすい場所がわかれば、あらかじめそこにドローンを設置しておき、光や音を使って害獣たちを威嚇することができます。

こうした取り組みが可能であることが既に実証されているので、ドローンに搭載する赤外線センサーやカメラ類の開発や、合わせてデータの収集・解析のためのアプリやシステムの開発などが、どんどん進められていくことでしょう。こうした分野に取り組んでみるのも、ドローンを利用したビジネスとしてはかなり将来性があると言えます。

 

2-2.これからの害獣対策をドローンで

先ほど、従来の害獣対策が立ち行かなくなっているというお話をしました。高齢化によるハンターの減少や、耕作放棄地の問題にも触れました。こうした問題を一挙に解決してくれるのが、このドローンを使った獣害対策なのです。ドローンは誰でも簡単に使うことができるので、人手不足で困っている場合でも、導入は難しくありません。これまで、害獣対策に割いていた時間や費用を削減し、農作物の育成に集中することが可能となります。こうしたメリットが注目されて、農業分野では農作物を育てるためのドローン利用の他に、害獣対策にも有効活用されているのです。

 

3.まとめ

このように、同じ農業分野という枠組の中で、ドローンは様々な顔を持って役割を果たすことができます。もしかしたら、既にドローンが導入されている分野の中で、まだ発見されていない使い道があるかもしれません。そうした視点を持ってドローンを活用していくと、まだ誰も考えついたことのないような新たなビジネスを見つけることができるかもしれないですね。

 

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